秋田市内の日帰りモデルコースは車なし・徒歩中心で巡れる
秋田市内の日帰り観光を車なしで楽しむなら、秋田駅を起点に千秋公園(久保田城跡)と秋田県立美術館を徒歩で巡るモデルコースがおすすめです。
どちらも駅から徒歩10〜15分ほどの距離にまとまっているため、城跡の散策とアート鑑賞を1日で無理なく組み合わせられます。
午前は公園、昼は食事と休憩、午後は美術館を基本に、帰りの列車に合わせて立ち寄り先を調整しましょう。
秋田駅西口から千秋公園・秋田県立美術館へ徒歩で向かう
秋田駅西口を出たら、まず千秋公園方面へ向かいます。
駅から続く広小路沿いには千秋公園の大手門の堀があり、お堀を目印に歩くと迷いにくくなります。
秋田駅から千秋公園の二の丸跡まで徒歩約15分、秋田県立美術館までは徒歩10分です。
千秋公園のポケットパークまでは駅から徒歩約5分なので、公園の入口付近だけなら短い時間でも立ち寄れます。
これらは駅から各目的地までの目安で、園内を歩く時間や鑑賞時間は別に考えてください。
千秋公園は入園無料で、園内は終日開放されています。
日帰りモデルコースの巡る順番は到着時刻に合わせて調整する
昼近くに秋田駅へ着く場合は、公園の散策範囲を絞り、美術館を落ち着いて見られる時間を残す組み方がおすすめです。
次の表は、午前に出発する場合の行程案です。
| 順番・時間帯 | 行き先 | その場で行うこと |
|---|---|---|
| 出発 | 秋田駅西口 | 地図と帰路を確認 |
| 午前 | 千秋公園 | 城跡と季節の風景 |
| 昼 | エリアなかいち | 昼食と休憩 |
| 午後 | 秋田県立美術館 | 絵画と建築を鑑賞 |
| 余裕があれば | 千秋美術館 | 開館日に追加鑑賞 |
| 帰路 | 秋田駅 | 土産選びと列車へ |
所要時間の目安は、千秋公園の散策に1〜2時間、昼食と休憩に1時間ほど、秋田県立美術館の鑑賞に1時間〜1時間半ほどです。
午前10時ごろに秋田駅を出発し、夕方には駅へ戻って土産を選ぶ時間を残す計画を目安にしましょう。
午前|千秋公園で久保田城跡を歩く
千秋公園(せんしゅうこうえん)は、秋田藩主佐竹氏の居城だった久保田城の跡です。
佐竹氏は慶長7年(1602年)に常陸から秋田へ国替えとなり、翌慶長8年(1603年)に久保田城の築城を始めました。
佐竹氏は、慶長7年(1602年)から明治2年(1869年)の版籍奉還まで12代267年にわたり、秋田藩20万石を治めました。
城跡は明治29年(1896年)に造園家・長岡安平の設計で公園として整備され、「千秋公園」の名は秋田の「秋」に長久を意味する「千」を冠したものといわれています。
もともと天守閣を持たなかった城なので、大きな天守を探すよりも、地形や門、堀に注目すると城跡の特徴が見えてきます。
石垣をほとんど使わず、堀と土塁を巡らせた城だったことも、久保田城ならではの特徴です。
二の丸から長坂を上り、久保田城表門を通って本丸へ
中土橋通りから坂を上がって二の丸へ進み、長坂の先にある久保田城表門を目指しましょう。
二の丸は広い芝生や東屋のある広場で、秋田藩主が能や町踊りなどを上覧したといわれる場所です。
現在の表門は、絵図などの資料や発掘調査の成果をもとに再建された、本丸の入口に立つ門です。
表門は「一ノ門」とも呼ばれた本丸の正門で、平成11年(1999年)から2カ年計画で、木造2階建て瓦葺きの櫓門(やぐらもん)として再建されました。
高さは約12.5メートルあり、日没から日の出まではライトアップされます。
街路から坂、門、広場へと空間が変わる様子を意識すると、単に通り抜けるのとは違う散策になります。
久保田城御隅櫓は観覧料と開館期間を確かめて立ち寄る
久保田城御隅櫓(おすみやぐら)は本丸の北西隅に復原された建物で、内部に佐竹氏の歴史展示があり、最上階には展望台があります。
史料に記された2階造りを基本に、展望室を加えた3層4階建てとして設計され、市制100周年を記念して復原された櫓で、展望台からは秋田の市街地を見渡せます。
観覧時間は9時から16時30分までで、市立小中学校の夏季休業日は19時まで延長されます。
観覧料は一般150円で、高校生以下は無料です。
12月1日から翌年3月31日までの冬季は休館するため、公園を歩けることと建物に入れることは分けて考えましょう。
坂道で疲れた場合は、御隅櫓まで足を延ばさず、表門周辺から引き返す選び方もできます。
千秋公園の桜・ハス・紅葉は見頃の時期に合わせて楽しむ
春は桜、夏は堀のハス、秋は紅葉が、公園を歩く楽しみになります。
千秋公園には約630本の桜があり、その約7〜8割がソメイヨシノで、満開は例年4月中旬〜下旬です。
高台にある本丸周辺は二の丸周辺よりも開花が数日遅れる傾向があるため、同じ公園内でも場所によって花の様子が変わります。
大手門の堀のハスは漁山紅蓮(ぎょざんこうれん)という品種で、例年7月上旬ごろから9月中旬ごろまで花を楽しめます。
花が開いている午前7時から9時ごろが観賞のベストタイムで、例年7月中旬から8月下旬には堀のハスのライトアップも行われます。
堀には浮桟橋タイプの遊歩道があり、ハスを間近に眺められますが、冬期(おおむね12月〜3月)は利用休止期間があります。
紅葉は例年10月中旬〜11月上旬ごろが見頃で、モミジやカエデが城跡の木々を彩ります。
開花や色づきはその日の様子を見ながら、花を近くで眺めるか、門と木々を一緒に見るかを選んでみてください。
撮影に夢中になって通路をふさがず、水辺では足元にも注意しましょう。
昼|エリアなかいちでランチと休憩
公園を下りたら、千秋公園に面するエリアなかいち周辺で昼食を取り、午後の鑑賞へつなげましょう。
秋田県立美術館に近いエリアなかいちで昼食を取る
エリアなかいちは、秋田県立美術館やにぎわい交流館AU、商業施設、広場が集まる場所です。
秋田駅から徒歩約10分の中通一丁目にあり、午後に訪れる秋田県立美術館と同じエリアで食事と休憩を済ませられます。
商業施設には飲食店があるので、散策後の食事先を探す候補になります。
店を選ぶ際は、入口のメニューだけでなく、昼営業の終了時刻や注文できる料理も確認すると、入店後の行き違いを減らせます。
食事の希望は注文前に伝える
日本語での注文に不安がある場合は、次の情報を短いメモにして店員に見せると伝えやすくなります。
- 注文したい料理の名前や写真
- 避けたい食材
- 希望する注文数
食後はすぐに歩き始めず、座って足を休めてから美術館へ向かいましょう。
公園散策と屋内鑑賞の間に休憩を挟むと、午後を慌ただしい移動だけで終えずに過ごせます。
午後|秋田県立美術館で藤田嗣治の絵画と安藤忠雄の建築を楽しむ
秋田県立美術館では、藤田嗣治の作品に加え、安藤忠雄が設計した建物そのものにも目を向けてみましょう。
現在の建物は2013年9月28日に開館したもので、旧県立美術館の三角形の屋根に呼応させた三角形のモチーフが、館内の随所に取り入れられています。
作品鑑賞の後はラウンジに立ち寄り、街の風景にも視線を向けてみてください。
藤田嗣治の大壁画《秋田の行事》は全体から細部へ
大壁画ギャラリーには、藤田嗣治(ふじたつぐはる)の《秋田の行事》が展示されています。
《秋田の行事》は1937年(昭和12年)3月に完成した縦3.65メートル、横20.5メートルの大作で、当時の秋田の風景や人々の姿が色彩豊かに描かれています。
藤田が秋田市の資産家・平野政吉の依頼を受けて描いた作品で、現在は公益財団法人平野政吉美術財団が所蔵しています。
まず少し離れて横長の画面全体を眺め、次に人物の表情や動きへ視線を移してみてください。
日本語の解説をすべて読み切ろうとせず、気になる場面を探すところから鑑賞を始めるのもよい方法です。
安藤忠雄設計の螺旋階段と自然光に注目する
エントランスでは、壁の支えや柱のない螺旋階段と、三角形の吹き抜けが印象に残ります。
吹き抜けは自然光が入る三角形の天井と天然御影石の床で構成され、コンクリートの壁面に光と影の変化が生まれます。
作品を見る前後に、天井から入る光や階段の曲線を眺めると、建築を味わう時間も生まれます。
階段や入口では立ち止まる位置に配慮し、ほかの来館者の通行を妨げないようにしましょう。
ミュージアムラウンジから水庭越しの千秋公園を眺める
2階のミュージアムラウンジでは、水庭越しに千秋公園の景色を眺められます。
水庭は1階の屋上部分に水を張ったもので、大きなガラス窓の向こうに千秋公園の四季が大壁画のように広がります。
午前に歩いた公園を今度は室内から見ると、木々や空の広がりを違った角度で楽しめます。
カフェでは飲み物やケーキを注文でき、コーヒーカップやケーキ皿には、国の伝統的工芸品である川連漆器(かわつらしっき)を使った美術館オリジナルの器が使われています。
カフェの営業時間は美術館の開館時間に準じ、ラストオーダーは閉館30分前です。
ラウンジのソファーでは美術関係の書籍を閲覧でき、ミュージアムショップでは樺細工や曲げわっぱ、川連漆器など秋田の伝統工芸品が販売されています。
秋田県立美術館の開館時間・観覧料と入館時のマナー
通常の開館時間は10時から18時までで、チケット販売は17時30分までです。
休館日は不定休で、観覧料も展覧会によって変わるため、旅行日に開催される展示と臨時休館の案内を事前に確認してください。
中学生以下は観覧無料で、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額になります。
撮影はその場の表示や係員の案内を確かめ、撮影できる場所でも、ほかの人の鑑賞を妨げないようにしましょう。
荷物は100円硬貨を使う返却式のロッカーを利用でき、入らないものは1階受付で預かる案内があります。
傘や飲食物、通話については、次の館内ルールを押さえておきましょう。
| 場面 | 対応 | 控えること |
|---|---|---|
| 傘を持って入館 | 傘立てを利用 | 展示室への持ち込み |
| 飲み物を携帯 | ペットボトルはかばんへ | 飴・ガムを含む持込飲食 |
| 展示室・ラウンジ | 静かに過ごす | 携帯電話での通話 |
なお、秋田県立美術館の館内と、美術館を含むエリアなかいちは全区画禁煙です。
1階と2階には多目的トイレがあり、車いすや生後4〜36か月の子ども向けベビーカーの無料貸し出しも行っています。
帰り道|秋田市立千秋美術館か秋田駅周辺を選ぶ
午後の鑑賞を終えたら、美術館を追加するか、駅へ戻ってゆっくり過ごすかを、残り時間と体力で決めましょう。
千秋美術館はアトリオン内の別施設
秋田市立千秋美術館はアトリオン内にあり、千秋公園の中ではなく、秋田県立美術館とも別の施設です。
18世紀後半の洋風画である秋田蘭画(あきたらんが)や、岡田謙三の洋画を常設展示しており、地域の美術に関心がある人の追加候補になります。
JR秋田駅西口から徒歩5分の距離で、開館時間は10時から18時(入館は17時30分まで)です。
常設展の観覧料は一般310円、大学生210円で、高校生以下は無料です。
秋田県立美術館のチケットを提示すると、千秋美術館の展覧会を団体料金で観覧できます。
展示替えなどによる臨時休館があるため、旅行日が開館日に当たる場合だけ追加する立ち寄り先として考えてください。
秋田駅へ戻る余白を残す
帰りの列車が決まっている場合は、駅に戻ってから土産を選び、乗り場を確認する時間も残しましょう。
作品をじっくり見たい日は、美術館の数を増やさず、秋田県立美術館での鑑賞を旅の中心に据えるのもよい選択です。
雨・雪の日の秋田市観光は歩く区間と巡る順番を変える
徒歩中心のコースでも、天候が悪い日に予定どおり歩き続ける必要はありません。
天気と体力に合わせて行程を組み替える
雨の日は美術館を先に訪れ、雨が弱まってから公園を短く歩くなど、順番を入れ替えましょう。
雪や凍結が見られる日は、城跡の坂道へ無理に進まず、屋内で過ごす比重を高める計画が安心です。
12月から3月は久保田城御隅櫓が休館し、大手門の堀の遊歩道にも冬期の利用休止期間があるため、冬は秋田県立美術館での鑑賞を中心に組み立てると無駄がありません。
当日の状況ごとに、残す予定と減らす予定を整理すると判断しやすくなります。
| 当日の状況 | 優先する過ごし方 | 減らす予定 |
|---|---|---|
| 雨が続く | 館内で作品鑑賞 | 公園の奥までの散策 |
| 路面に雪や凍結 | 駅周辺と屋内滞在 | 坂道の上り下り |
| 歩き疲れた | 休憩と早めの帰路 | 追加の美術館 |
歩く距離を減らすなら循環バス「ぐるる」を検討する
秋田市中心部には、中心市街地循環バス「ぐるる」が運行しています。
運行時間は9時から17時15分までで、1日16本、1周は約35分です。
運賃は1回100円(小学生以下無料)で、何度も乗り降りする日は300円の1日乗り放題乗車券も利用できます。
千秋公園へ向かう際は「ミルハス前」停留所が候補ですが、乗車前に運行方向と時刻表を確認しましょう。
ミルハス前で降りれば二の丸跡まで徒歩約5分で、エリアなかいちや千秋美術館へは「千秋公園入口」停留所が最寄りです。
運行ルート図と時刻表は英語・韓国語・中国語(簡体字)版も用意されており、車内では一部の車両を除いて公衆無線LAN(Wi-Fi)も利用できます。
イベント時には迂回運行が行われることもあるので、当日の運行案内まで確かめておくと移動を組み直しやすくなります。
まとめ|車なしで秋田市内を日帰りで巡るコツ
秋田市内の日帰り観光は、千秋公園で城跡と季節の風景を楽しみ、昼食を挟んで秋田県立美術館へ向かう流れを基本にできます。
美術館では作品だけでなく、螺旋階段や水庭にも目を向け、街歩きとは異なる時間を過ごしてみてください。
天候や開館日に合わせて立ち寄り先を調整し、帰りの列車まで余裕を残すことが、車なしで巡るコツです。











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