秋扇湖の水没林とは
秋田県仙北市の秋扇湖では、雪解け水で湖の水位が上がる春、若葉を付けた木々が水面から伸びる水没林の景観が現れます。
湖の青、水面に映る新緑、山あいの静けさが重なる光景は毎年同じ日程で見られるものではなく、積雪や天候、ダムの水位に左右されます。
鎧畑ダムによって生まれた湖
秋扇湖は「しゅうせんこ」と読み、玉川に造られた鎧畑(よろいばた)ダムのダム湖です。
この地域に多い雪解け水を農作業用水や工業用水などに利用する多目的ダムの貯水によって、湖の景観が形づくられています。
国道341号に沿って広がるため、車で通り過ぎるだけでは水位の変化や木々の位置を捉えにくく、観賞地点を先に決めておくことが大切です。
雪解け水が木々を包む春の景観
水没林は、豊富な雪解け水で湖の水位が上がり、湖畔に立つ木々の幹が水に浸かることで現れます。
水面の上では若葉が芽吹き、湖の青と新緑が重なるため、木々が水上に浮かんでいるような独特の眺めになります。
恒久的に同じ姿が続く森ではなく、水位が高い時期だけ成立する変化の途中の景観だと理解すると、訪問時の状態も受け止めやすくなります。

見頃は水位を基準に判断する
例年は5月から6月上旬が中心
水没林は例年5月から6月上旬までの約1か月間に出現します。
4月下旬頃から葉が色づき始め、5月に見頃を迎えた後、夏の大雨に備えて貯水位を下げるため、例年6月上旬頃までが鑑賞の目安です。
6月中旬頃まで見られる年もあり、終了時期には年ごとの水位差があるため、月日だけで見頃を決めない方が確実です。
貯水位319メートル以上が一つの目安
鎧畑ダムの貯水位が概ね319メートル以上の場合に、水没林を見ることができます。
同じ5月でも貯水位が低ければ木々の幹が見え過ぎ、高ければ水面に出る部分が変わるため、写真と同じ状態を期待せず、その日の水位を確認します。
鎧畑ダムの貯水位は秋田県河川砂防情報システムで公開されていますが、点検などで一時的に閲覧できない場合があります。
| 確認項目 | 目安 | 訪問判断への使い方 |
|---|---|---|
| 見頃の時期 | 例年5月〜6月上旬頃 | 年ごとの差を前提にする |
| 葉の色づき | 4月下旬頃から | 新緑の進み具合を確認する |
| 貯水位 | 概ね319メートル以上 | 直前に観測情報を見る |
| 見頃の終了 | 夏の大雨に備え水位低下 | 日付より水位を優先する |

新玉川大橋から水没林を見る
新玉川大橋が観賞地点
水没林は、国道341号の新玉川大橋から見ることができます。
橋の上からは、湖面に並ぶ木々と水面の広がりを高い位置から捉えられるため、森の密度と湖の色を一緒に観察できます。
水位が低い時期には湿原のような景色が現れることもあり、水没林が終わった後も季節による湖岸の変化を見られます。
橋上では交通の妨げにならないようにする
新玉川大橋は国道341号の道路施設なので、車道へ出たり長時間立ち止まったりせず、通行を最優先にしてください。
写真を撮る場合も周囲の車両や歩行者に注意し、柵を越えず、機材を通行部分へ広げないようにします。
視界が悪い雨天や薄暗い時間帯は、橋上での観賞を避けてください。

駐車とアクセスを事前に整える
水没林の近くには駐車場がない
水没林付近には駐車場がないため、秋扇湖ダム公園を利用してください。
路肩への駐車は交通を妨げるだけでなく、見通しの悪い山間道路で事故につながる可能性があるため避けてください。
観賞地点と駐車場所が離れることを前提に、歩きやすい靴、雨具、飲み物を用意し、往復時間に余裕を持たせます。
車で向かう場合の距離と目安
所在地は秋田県仙北市田沢湖田沢字鎧畑で、JR田沢湖駅から約13キロメートルです。
東北自動車道盛岡インターチェンジから国道46号と国道341号を経由して車で約75分です。
山間部では天候、工事、路面状況で所要時間が変わるため、出発直前に道路情報を確認し、明るい時間帯に移動する計画が安心です。
| 移動段階 | 確認したいこと | 避けたい行動 |
|---|---|---|
| 出発前 | 天候、道路、水位 | 見頃を日付だけで判断する |
| 駐車 | 秋扇湖ダム公園の位置 | 水没林付近の路肩に止める |
| 徒歩移動 | 足元と日没時刻 | 車道側へ広がって歩く |
| 観賞 | 交通と周囲の利用者 | 柵を越える、機材を広げる |

写真で湖の青と新緑を捉える
広景と細部を分けて撮る
最初に湖面と水没林の範囲を広く収め、その後に幹の並び、若葉、水面の反射へ視点を寄せると、現地の広がりと季節感を両方記録できます。
風が弱い時間には水面の映り込みが見えやすくなりますが、天候は選べないため、波がある日は木々のリズムや光の揺らぎを生かします。
コバルトブルーの色は空、光、水質、水位で見え方が変わるので、画像加工で実景とかけ離れた色にせず、その日の状態を残す視点も大切です。
ドローン撮影には申請と連絡が必要
ダム湖上空でドローンを飛行させる場合は、航空法に基づく必要な申請を行ってください。
山側まで飛行させる場合は秋田森林管理署への申請が必要で、鎧畑ダム管理事務所への事前連絡も必要です。
墜落やオイル流出でダムへ影響を与えないようにし、必要な手続きを終えられない場合は飛行させないでください。
2027年春からの工事予定を確認する
施工期間中は水没林を見られない予定
鎧畑発電所の大規模改良工事に伴う水位調整のため、2027年春から2031年度までの施工期間中は水没林を見られない予定です。
水没林に影響する工事期間は2027年3月から2032年3月まで予定され、2026年春が工事前最後の水没林の鑑賞機会でした。
過去の写真だけで判断せず、再開予定を訪問前に確認してください。
工事後の再開予定を確かめる
2032年春から鑑賞可能となる見込みですが、工事の進捗や貯水位の運用によって状況が変わる可能性があります。
工事については秋田県玉川発電事務所、水没林とダムの状況については鎧畑ダム管理事務所が問い合わせ先です。
観光情報は仙北市田沢湖観光情報センター「フォレイク」や田沢湖・角館観光協会でも確認できます。
秋扇湖の水没林まとめ
秋扇湖の水没林は、鎧畑ダムの貯水位が雪解け水で上がり、湖畔の木々が若葉を付けたまま水に包まれることで現れる春の景観です。
例年の見頃は5月から6月上旬頃、貯水位は概ね319メートル以上が目安で、観賞地点は国道341号の新玉川大橋です。
水没林付近には駐車せず秋扇湖ダム公園を利用し、道路交通とダム環境へ配慮しながら行動してください。
2027年春から2031年度までの施工期間中は見られない予定のため、訪問前に再開状況を確認してください。




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