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小笠原・南島|扇池の見どころと父島からの行き方・上陸ルール

小笠原・南島|扇池の見どころと父島からの行き方・上陸ルール
父島の南西沖に浮かぶ南島は、白い砂浜と扇池、石灰岩の地形が広がる無人島。父島からのツアー選び、東京都自然ガイドの同行ルール、上陸時の注意点や靴底の洗浄、自然を守る観察マナーを整理しました。海況で上陸できない場合に備える準備も分かる、初めて訪れる旅行者向けのガイドです。

ひと目でわかるポイント

小笠原・南島の魅力

南島は、父島の南西約900mに浮かぶ小笠原の無人島。国の天然記念物・沈水カルスト地形と白砂の入り江「扇池」がつくる景観が広がる。ヒロベソカタマイマイの半化石なども観察でき、上陸には東京都自然ガイドの同行と指定経路の順守が必要

扇池と石灰岩地形の見どころ

岩のトンネルで外海とつながる扇池、丸いくぼ地のドリーネや鋭くとがったラピエ、サメ池・陰陽池の水辺

南島への行き方

竹芝からおがさわら丸(片道約24時間)で父島へ渡り、ボートやシーカヤックの南島ツアーで上陸

上陸ルール

東京都自然ガイドの同行と指定経路の順守が必須で、ガイド1人につき15人まで。滞在時間や1日の人数の上限は廃止

散策時間と日程の組み方

南島の島内散策はおよそ1時間。海況で上陸できない日もあるため、父島滞在の早めの日程に入れると予備日を取りやすい

服装・持ち物

桟橋がなく、サメ池からボートで上陸する場合は岩場に降りるため、濡れても滑りにくい履物が必要。日陰が少ないので帽子と飲み水を用意し、出港前に靴底を洗う

観察できる自然

扇池の砂浜に残るヒロベソカタマイマイの半化石、春から秋の海鳥の子育て、5〜8月ごろのアオウミガメ産卵の足跡

※最新情報は公式発表または現地でご確認ください。

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南島とは?小笠原・父島の南西に浮かぶ沈水カルストの無人島

小笠原諸島の南島(みなみじま)は、父島の南西約900mに浮かぶ無人島です。

南北約1.6km、東西約0.4km、面積約0.34平方キロメートルの小さな島で、観光で上陸するには東京都自然ガイドの同行が必要です。

白い砂浜だけでなく、石灰岩がつくる地形と、その環境を守る取り組みにも目を向けると、訪れる楽しみが深まります。

ここでは、南島の見どころから父島からの行き方、上陸ルール、服装や持ち物の準備までを順に紹介します。

国の天然記念物・沈水カルスト地形がつくる岩と入り江

南島の特徴は、石灰岩が雨水などで溶かされてできた地形が海に沈んだ「沈水カルスト地形」です。

南島の沈水カルスト地形は、2008年3月に国の天然記念物に指定されています。

丸みのあるくぼ地と鋭くとがった岩が、海と陸の境目に独特の風景をつくっています。

島内には扇池やサメ池、陰陽池と呼ばれる水辺があり、最も高い地点でも標高は約60mです。

ガイドの説明で出てくる地形の言葉を知っておくと、岩や入り江の形を読み取りやすくなります。

用語 意味 観察の着眼点
沈水カルスト 海に沈んだカルスト地形 海と陸のつながり
ドリーネ 石灰岩が溶けたくぼ地 丸みのある形
ラピエ 鋭くとがった石灰岩 岩肌の凹凸

ノヤギの食害と踏みつけから回復してきた南島の植生

南島では、野生化したヤギによる食害や、観光客が歩くことで植物が踏まれる影響が問題になってきました。

南島には1950年代から1971年までノヤギが生息し、植物が食べられたり踏み荒らされたりして、赤土がむき出しになる場所が広がりました。

1970年ごろからは観光利用も始まり、ガイドの同伴や経路の指定がなかった時代には、人の踏みつけによる土壌の侵食や海鳥の巣穴の踏み抜きも起きていました。

そのため、自然を守りながら観光するための利用ルールが設けられています。

2001年からは植生回復工事が行われ、歩く経路に石を据えて踏みつけを抑える対策や、外来植物の駆除が続けられてきました。

かつて荒れていた南島の植生は大きく回復し、オナガミズナギドリなどの海鳥の増加も確認されてきました。

目の前の景色を、手を加えずに残すことも南島での体験の一部です。

扇池とヒロベソカタマイマイの半化石|南島の見どころ

南島では、入り江を眺めるだけでなく、砂浜に残る貝殻や生き物の営みにも注目してみましょう。

扇池(おうぎいけ)は外海とつながる白砂の入り江

扇池(おうぎいけ)は、岩のトンネルを通じて外海とつながっており、名前に「池」とあっても淡水の池ではありません。

白い砂浜と青緑色の海、それを囲む岩の組み合わせが印象的です。

真っ白な砂と青い海のコントラストも、扇池の景観の見どころです。

まず全体の形を眺め、そのあと岩のアーチと水際に視線を移すと、地形のつながりを感じられます。

指定経路は扇池を見下ろす東尾根にも通じており、ガイドの案内で高い位置から入り江の形を確かめられることもあります。

砂浜に残るヒロベソカタマイマイの半化石

扇池の砂浜では、ヒロベソカタマイマイという陸に暮らしていた貝の半化石が見られます。

残された半化石は1000年から2000年前のものとされています。

海辺の貝殻に見えても、陸の生き物が残したものだと知ると、砂浜の見え方も変わります。

南島では化石の採取や持ち出しが禁止されており、見つけた場所のままで観察し、持ち帰ったり、撮影用に集めたりしないでください。

植生が回復した南島は、父島などで数を減らしたカタマイマイ類を再び野外へ戻す取り組みの候補地にも挙げられてきました。

海鳥とアオウミガメの繁殖地|観察できる時期の目安

南島は海鳥の繁殖地であり、扇池の砂浜はアオウミガメの産卵場所にもなっています。

南島で繁殖する代表的な海鳥には、カツオドリ、オナガミズナギドリ、アナドリが挙げられます。

オナガミズナギドリとアナドリは3月ごろから、カツオドリは4月ごろから島に飛来し、秋にかけて子育てをします。

オナガミズナギドリは草地などの地中にトンネル状の巣穴を掘るため、経路の外を歩くと巣穴を踏み抜いてしまうおそれがあります。

アオウミガメの産卵は主に5〜8月ごろで、この時期には産卵のために上陸したウミガメの足跡が砂浜に残っていることがあります。

生き物を探して経路を外れるのではなく、ガイドの説明を聞きながら、見える範囲を静かに観察しましょう。

父島から南島への行き方|おがさわら丸と南島ツアーの選び方

南島観光は、父島を拠点に東京都自然ガイドが同行するツアーを手配するのが基本です。

南島へは、ボートツアーやチャーターボート、シーカヤックツアーなどを利用して訪れます。

竹芝からおがさわら丸で父島へ|宿泊を先に確保する

父島へは、東京の竹芝から定期船「おがさわら丸」で向かう方法があります。

おがさわら丸は通常ほぼ週1便の運航で、片道およそ24時間が目安ですが、運航間隔は時期によって異なり、海況によって所要時間が長くなることもあります。

父島へ渡航する際は、宿泊先を確保してから船を手配しましょう。

観光でのキャンプや野宿は禁止されているため、宿、船室、ガイドツアーの順に予約を進めると安心です。

往復の船と宿泊日程を合わせたうえで、父島滞在中のどの日に南島へ行くかを考えましょう。

海況によって上陸できない日もあるため、父島滞在の早めの日程に南島ツアーを入れておくと、予備日を確保しやすくなります。

南島ツアーの上陸方法(サメ池・扇池)と予約時の確認点

南島への上陸には、ボートでサメ池から入る方法のほか、ガイドとともに扇池へシーカヤックや遊泳で入る方法があります。

南島に対応したツアーには、ボートツアー、チャーターボート、シーカヤックなどがあります。

南島へは、南島利用ルール遵守事業者のステッカーが交付された事業者のツアーで訪れましょう。

島内の散策はおよそ1時間が目安になります。

上陸の仕方によって必要な装備や動きが異なるため、ツアー名だけで決めず、南島上陸が含まれるかを事業者に確認してください。

日本語に不安がある旅行者は、対応言語だけでなく、安全上の指示を理解できる方法も予約時に相談しておくとよいでしょう。

申し込み前には、次の点を確認しておくと当日の行き違いを減らせます。

  • 泳ぐ行程の有無と、自分の泳力に合う参加条件
  • 必要な履物・装備と、貸出品の有無
  • 上陸できない場合の行程と料金の扱い

南島の上陸ルール|ガイド同行と利用制限

廃止された利用制限と、守る必要がある自然保護ルールは分けて理解しておきましょう。

南島の「適正な利用のルール」は2002年9月に東京都と小笠原村が定めたもので、2003年4月から運用されています。

東京都自然ガイドの同行と指定経路のルール

観光で南島へ上陸するには、腕章を着用した東京都自然ガイドの同行が必要です。

東京都自然ガイドは、東京都と小笠原村の協定に基づいて東京都が養成・認定するガイドで、2年ごとに更新講習が行われています。

ガイドが担当する利用者は1人のガイドにつき15人までと定められています。

島内は自由に歩き回れるわけではなく、定められた経路以外への立ち入りは認められていません。

このほか、外来の生き物を持ち込まない、自然のものはそのままにする、動物にえさを与えない、岩に落書きをしない、ごみはすべて持ち帰るといった共通ルールも定められています。

滞在時間・1日当たりの利用人数・入島期間の扱い

南島の個別ルールでは、最大利用時間と一日当たりの最大利用者数は設定されておらず、季節による入島禁止期間も設けられていません。

「最大利用時間2時間」「1日当たりの最大利用者数100人」「年3か月間の入島禁止期間」という以前の制限は廃止されています。

古いガイドブックや旅行記事には、廃止された制限が残っていることがあります。

一方で、東京都自然ガイドの同行、指定経路以外への立ち入り禁止、ガイド1人あたり15人までという上限は守る必要があります。

ただし、これは天候や海況に関係なく上陸できるという意味ではありません。

自然環境への影響に応じて利用制限が設けられる可能性もあるため、旅行前に入島条件を確認しましょう。

南島の自然を守るマナー|靴底の洗浄と観察のルール

南島の保全は、上陸する前の靴や荷物の確認から始まります。

靴と荷物から外来種を持ち込まない

靴底の土や衣類の付着物には、外来の生き物や植物の種が紛れ込むことがあります。

出港前に靴底を洗い、衣類やバッグに付いたものも取り除いておきましょう。

上陸時にはガイドの指示に従い、履物の裏を海水で洗う手順にも協力してください。

父島からプラナリア類などを持ち込まず、南島の陸産貝類を守るための対策です。

小笠原では、カタマイマイ類を食べる外来のニューギニアヤリガタリクウズムシが父島で確認されていますが、南島にはいないとされています。

この生き物は海水に弱いため、海水で靴底の泥を落とすことが侵入を防ぐ有効な方法とされています。

自然のものは動かさず、ごみは持ち帰る

植物や動物だけでなく、石や木片なども、そのままの状態にしておくのが南島のルールです。

鋭くとがったラピエも、人に踏まれると削れたり割れたりするため、経路の外の岩には乗らないようにしましょう。

記念品として持ち出すのではなく、観察した形やガイドから聞いた話を旅の記録に残しましょう。

自分のごみは島に残さず、海にも捨てずに持ち帰ります。

写真を撮るときも足元と生き物を優先する

経路に設置された石の上を歩くことは、植物や地中にある海鳥の巣穴を踏みつけないためにも重要です。

動物への餌やりや、驚かせたり追い立てたりする行動は避けてください。

2020〜2022年にはサメ池の上陸地点近くでカツオドリが巣をつくり、環境省・小笠原村・東京都が、立ち止まらない、のぞき込まない、騒がないといった配慮を事業者に求めました。

巣やひなを見かけたときも、近づいたり長く立ち止まったりせず、ガイドの指示に従って静かに通り過ぎましょう。

撮影や休憩の場面では、自然を変えずに楽しむ行動を選びましょう。

場面 選びたい行動 避ける行動
背景を変えたい 経路内で向きを調整 草地へ踏み込む
鳥が近くにいる 離れて見守る 追って近づく
貝殻を見つけた 置かれた姿を撮る 集めて並べる
休憩を終える 荷物とごみを確認 包み紙を残す

南島上陸の服装・持ち物と当日の注意点

砂浜の散策だけを想定せず、濡れた岩場を歩く準備をして出かけましょう。

サメ池からの上陸は履物選びが重要

南島には桟橋がなく、サメ池からボートで上陸する場合は、船首から岩へ降り、その後に手すり付きの階段を上ります。

サメ池から直接上陸する場合は、険しい地形を歩きます。

履物は、濡れてもよく、滑りにくく歩きやすいものを選んでください。

足元に不安がある場合は、予約時に上陸の動作を具体的に確認し、参加できるかを事業者に相談しましょう。

足元に不安がある人は、上陸が難しい場合があります。

両手を使いやすいように荷物をまとめ、乗り降りの間はカメラをしまっておくと動きやすくなります。

シーカヤックや遊泳で扇池から上陸するツアーでは、水着やラッシュガードなど濡れることを前提にした服装が必要になるため、事業者の指定に合わせて準備してください。

日差し対策と飲み水など持ち物の準備

南島は日陰が少なく、特に夏は暑さへの備えが必要です。

帽子やタオルなどで日差しを避け、飲み水を用意して、こまめな水分補給を心がけましょう。

無人島の南島へ行く際は、飲み物を父島で用意し、トイレは出港前に済ませておくと安心です。

景色に見入っていても、鋭い石灰岩や足元への注意を忘れず、立ち止まってから周囲を眺めてください。

天候・海況による上陸中止も見込んでおく

サメ池の入口は狭く岩礁もあるため、海況や風向きによっては船が入れず、上陸できないことがあります。

天候により上陸できない場合もあります。

南島への上陸だけに予定を絞らず、変更時にどのように過ごすかもツアー事業者と相談しておきましょう。

現地では上陸を無理に求めず、船長やガイドの判断に従うことが大切です。

まとめ|小笠原・南島はルールと準備で上陸を楽しむ

父島から訪れる南島では、扇池の景色とともに、石灰岩の地形や生き物の痕跡を観察できます。

東京都自然ガイドが同行するツアーを選び、上陸方法に合う履物、靴底の洗浄、日差しへの備えを整えましょう。

滞在時間と1日当たりの総利用者数の上限は設定されていませんが、ガイドの同行や指定経路のルールは守る必要があります。

指定経路を守り、自然のものを動かさずに見学する姿勢が、南島の風景を未来へ残すことにつながります。

よくある質問

A. 南島は父島の南西約900mに浮かび、海に沈んだ石灰岩の地形が特徴の無人島です。沈水カルスト地形は2008年に国の天然記念物(貴重な自然を保護する国の指定)になりました。陸上でできたくぼ地や尖った岩が海面上昇で沈んだ景観です。小笠原の英語名「Bonin Islands」が「無人(ぶにん)島」に由来することも、島の名前を覚える手掛かりになります。
A. 扇池は、石灰岩が溶けてできたくぼ地(ドリーネ)に海水が入り込んだ入り江で、岩のトンネルで外海とつながっています。白砂の浜と青い海、アーチ状の岩が一度に見られる南島随一の景観スポットです。全景を撮るなら、指定経路の少し高い位置から扇形の浜とアーチを斜めに収める構図が狙い目。人の流れを止めない立ち位置を選びましょう。
A. ヒロベソカタマイマイの半化石は、南島の扇池の砂浜に残る、絶滅した陸生カタツムリの殻です。殻には1000〜2000年前と測定されたものがありますが、それは絶滅時期そのものではありません。採取せず、見つけた場所で観察しましょう。ガイドの説明を聞きながら形を見比べると、石のように見える殻からも生き物の痕跡を読み取れます。
A. 東京・竹芝桟橋から定期船「おがさわら丸」で約24時間かけて父島へ渡り、南島上陸を含むツアーに参加します。通常の5泊6日航海では父島に3泊し、滞在は到着日と出港日を含む4日間です。終日使える中2日と、到着・出港日の限られた時間を分けて予定を組みましょう。海況による上陸中止に備え、南島を旅程の前半に入れると日程変更を相談しやすくなります。
A. 観光で南島に上陸するには腕章を着けた東京都自然ガイドの同行が必要で、1人につき利用者は15人までです。指定経路以外には立ち入らない決まりがあります。一方、以前の「最大利用時間2時間」「1日100人まで」の制限は2023年の見直しで廃止されました。古いガイドブックを使う際は、現在も残る決まりと廃止された制限を混同しないようにしましょう。
A. Polarisの通常期の大人料金例は、南島を含む半日約3時間が9,000円、1日約6時間半が14,000円です。実際の所要時間や上陸の可否は、コースと海況によって変わります。料金を比べる際は金額だけでなく、器材代や昼食代が含まれるか、何時間の行程かをそろえて比べるのがコツです。年齢や泳力の参加条件も、予約時の確認事項です。
A. 南島上陸には、濡れても滑りにくく足から脱げにくい靴を選び、ビーチサンダルは避けます。ボートの船首から岩場へ移る上陸方法では、波の動きに合わせてガイドの指示を受ける必要があります。荷物は防水バッグにまとめ、両手を空けておくと動きやすくなります。帽子や飲み水を取り出す際も、足場が安定した場所でいったん止まることが大切です。
A. 現在は季節による入島禁止期間がなく、海況がよければ冬も上陸できます(以前は年3か月の入島禁止期間がありました)。見どころは季節で変わり、3月頃からは海鳥の子育て、5〜8月頃はアオウミガメの産卵期で砂浜に足跡が残ることも。12〜5月頃はザトウクジラが回遊し、特に2〜4月は南島へ向かうボートの上からクジラの潮吹きに出会えることも楽しみのひとつです。

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