鹿児島の車なし観光は市電・バス・JR・フェリーの使い分けがポイント
鹿児島中央駅を起点にすれば、車なしでも市電・バス・JR・フェリーを組み合わせて、天文館や城山、仙巌園から桜島の港周辺まで訪ねられます。
10か所すべてを詰め込むのではなく、街歩き、歴史、海と火山のどれを楽しみたいかで行き先を絞ると、移動に追われにくくなります。
鹿児島市電の乗り方と運賃、天文館や鹿児島港方面への移動
市電は道路上の線路を走る路面電車で、駅前の「鹿児島中央駅前」電停から2系統(鹿児島駅前行き)に乗ると、天文館方面や鹿児島港に近い「水族館口」へ乗り換えなしで向かえます。
運賃は全線均一で、大人200円、小児100円です。
鹿児島市電ではSuicaなどの全国共通交通系ICカードは使えないため、現金のほか、地元のICカード「ラピカ」やクレジットカードなどのタッチ決済といった対応する支払い手段を用意しましょう。
現金で市電を利用する際の動きを、乗車から降車の順に整理しました。
| 場面 | すること | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 乗るとき | 中央の扉から乗る | 行先を確認する |
| 降りる準備 | 降車ボタンを押す | 停車まで待つ |
| 降りるとき | 前方で運賃を払う | 前の扉から降りる |
周遊バス「カゴシマシティビュー」で城山や磯へ向かう
観光地を巡る周遊バス「カゴシマシティビュー」は、鹿児島中央駅東口の東4番のりばから利用できます。
運賃は1回大人230円、小児120円で、1周は約80分です。
維新ふるさと館前、天文館、西郷銅像前、城山、仙巌園(磯庭園)前、石橋記念公園前、かごしま水族館前などに停車するため、この記事で紹介する名所の多くへ乗り換えなしで向かえます。
城山など坂の上の目的地へ向かうときは、徒歩だけに頼らずバスを組み合わせましょう。
周遊する経路なので、乗車前に停留所の順番と帰りの便を確認しておくと安心です。
仙巌園はJR仙巌園駅、桜島は桜島フェリーを組み合わせる
仙巌園へは、2025年3月15日に開業したJR日豊本線の仙巌園駅を使う方法もあり、鹿児島中央駅から約10分で到着します。
仙巌園駅にはすべての列車が停まるわけではないため、鹿児島中央駅では仙巌園駅に停車する列車を選びましょう。
桜島へフェリーで渡る場合は、市電やバスで鹿児島港へ出てから桜島フェリーに乗り継ぎます。
乗り換え検索では、JRの駅、市電の停留所、フェリーの港を区別して入力しましょう。
鹿児島観光で使える一日乗車券と支払い方法
市電やカゴシマシティビューを1日に何度も使うなら、鹿児島市交通局の「一日乗車券」(大人700円、小児350円)が便利です。
市電、市バス、カゴシマシティビューに当日限り何度でも乗れ、提示すると観光施設の入館料割引などの特典も受けられます。
スマートフォン専用で、利用開始から24時間有効な「24時間乗車券」(大人900円、小児450円)もあり、夕方に到着して翌日も観光する旅程に合わせやすくなっています。
一日乗車券は鹿児島中央駅総合観光案内所や市電・市バスの車内、カゴシマシティビューの車内などで購入でき、スマートフォンで使えるスマホ一日乗車券も同じ料金です。
JRの列車や桜島フェリーは一日乗車券の対象外なので、それぞれの運賃を別に用意してください。
鹿児島中央駅周辺と天文館で歴史と街歩きを楽しむ
駅周辺の歴史スポットと天文館を組み合わせると、遠くへ移動せずに鹿児島らしい街の表情を楽しめます。
1.維新ふるさと館で幕末・明治維新の薩摩の歴史に触れる
維新ふるさと館は、幕末の薩摩や明治維新について、展示や映像、ゲームなどを通して学べる施設です。
鹿児島中央駅から徒歩約8〜10分、市電なら「高見橋」電停から徒歩約3分で、到着後に歴史の背景を知ってから街歩きを始めたい人に向いています。
薩摩が日本の近代化にどう関わったかに注目すると、街で出会う銅像や史跡を理解する手がかりになります。
開館時間は9時〜17時(入館は16時30分まで)で、市外からの来館者の入館料は大人(高校生以上)600円、小・中学生300円です。
鹿児島市民には割引料金があり、多言語の展示物ガイドも利用できます。
館内展示物のリニューアル工事に伴い、2026年11月24日〜2027年1月22日は臨時休館が予定されているため、旅行日の開館状況を確認してから予定に入れてください。
工事の都合で休館期間が変わる場合もあるので、出発前にも休館日程を確かめましょう。
2.天文館で鹿児島グルメと買い物を楽しむ
天文館は、飲食店や土産物店が集まる鹿児島の繁華街です。
鹿児島中央駅前から市電2系統(鹿児島駅前行き)で「天文館通」へ向かい、降りた後は周辺を歩いて回れます。
黒豚料理や鹿児島ラーメン、鹿児島名物のかき氷「白熊」など、食事を旅の楽しみにしたい人にも選びやすいエリアです。
アーケードのある通りを軸にすれば雨の日も予定を組みやすくなりますが、移動する道すべてに屋根があるわけではありません。
城山から仙巌園のある磯へ、桜島の眺めと歴史の名所を巡る
西郷隆盛ゆかりの景観、城跡の博物館、桜島を望む展望台や庭園は、歴史と景色を一緒に楽しみたい旅に向いています。
市街地から丘の上や磯方面へ範囲を広げるときは、バスやJRで徒歩区間を調整しましょう。
3.西郷隆盛銅像を向かいの撮影スポットから眺める
西郷隆盛銅像は、明治維新に関わった西郷隆盛を陸軍大将の制服姿で表した像です。
昭和12年(1937年)に建てられ、鹿児島出身の彫刻家・安藤照が手がけた、台座を含めて高さ約8mの堂々とした姿が特徴です。
カゴシマシティビューの「西郷銅像前」で下車すると訪ねやすく、道路を挟んだ向かい側には撮影スポットもあります。
城山を背景にした姿を眺めたら、周辺の歴史散策へつなげましょう。
撮影のために車道へ出ず、道路を渡る際は横断歩道を利用してください。
4.黎明館で鶴丸城跡と鹿児島の歴史・文化をたどる
黎明館(鹿児島県歴史・美術センター黎明館)は鹿児島城、別名・鶴丸城の本丸跡にあり、鹿児島の歴史や民俗、美術・工芸などを扱う博物館です。
カゴシマシティビューの「薩摩義士碑前」から徒歩で向かえるほか、市電「市役所前」電停からも徒歩約7分です。
開館時間は9時〜18時(入館は17時30分まで)で、常設展示の入館料は一般430円、高校生・大学生270円、小・中学生160円です。
月曜日(祝日の場合は翌平日)と毎月25日(土・日曜日・祝日の場合は開館)、12月31日〜1月2日は休館日なので、訪問日に注意しましょう。
近くの御楼門と合わせて見ると、展示だけでなく城跡の空間にも目を向けられます。
御楼門は鶴丸城の象徴だった城門で、明治6年(1873年)の焼失から147年を経た2020年3月に再建されました。
照明工事により、2026年12月1日〜2027年4月25日は常設展示室2階が利用休止となり、1階と3階は通常どおり見学できます。
5.城山展望台から桜島と錦江湾を見渡す
城山展望台は、標高107mの城山にあり、鹿児島市街地や錦江湾、その先の桜島を望める場所です。
天候に恵まれれば霧島や開聞岳まで見えることがあり、夜景の美しさでも知られています。
カゴシマシティビューで「城山」まで移動し、停留所から展望台へ歩く方法があります。
城山一帯は西南戦争最後の激戦地で、近くには西郷洞窟など西郷隆盛ゆかりの史跡も残っています。
山と海、街の位置関係が見えるため、初めて鹿児島を訪れる人が旅の全体像をつかむ場所としても向いています。
天候によって見通しが変わるので、景色を優先する日は空模様を見て訪問順を調整しましょう。
6.仙巌園で島津家の庭園と桜島の景色を楽しむ
仙巌園は1658年に島津光久が築いた島津家の別邸で、桜島を築山、錦江湾を池に見立てた庭園の眺めが特徴です。
鹿児島中央駅からJRで仙巌園駅へ向かい、下車後は徒歩3分程度を目安に入口へ進めます。
カゴシマシティビューの「仙巌園(磯庭園)前」で下車する方法もあります。
開園時間は9時〜17時(3月第1日曜日は休園)で、窓口での入園料は一般(15歳以上、中高生を除く)1,600円、小・中・高校生800円(御殿・尚古集成館の見学を含む)です。
入場券を購入するときは、年齢・学年と購入方法に合う料金区分を選びましょう。
園内の反射炉跡などは、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産にも含まれています。
庭園内だけでなく、その向こうに続く山と海まで一緒に眺めると、景色を庭に取り込む工夫を感じられます。
中心街の徒歩観光とは分けて予定を組み、庭園を歩く時間を2〜3時間ほど確保すると慌ただしくなりません。
鹿児島港周辺で水族館と石橋記念公園を訪ねる
屋内展示を楽しむ水族館と、屋外で石造りの橋を眺める公園は、天気や歩きたい量に合わせて選べます。
7.いおワールドかごしま水族館で鹿児島の海を知る
いおワールドかごしま水族館では、黒潮大水槽や鹿児島の深海などの展示を通して、海の生きものに出会えます。
館内最大の黒潮大水槽では、時期によってジンベエザメのほか、カツオや大型のエイなどが泳ぐ姿を見られます。
鹿児島中央駅前から市電2系統で「水族館口」まで約15分、停留所から徒歩約8分で入館口に着きます。
通常の開館時間は9時30分〜18時(入館は17時まで)で、ゴールデンウィークや夏季の指定日には21時まで開館し、市外からの来館者の入館料は大人(高校生以上)2,000円、小・中学生1,000円です。
休館日は12月の第1月曜日から4日間で、年末年始は通常どおり営業しています。
雨の日に屋内中心の予定を立てたいときにも候補になりますが、市電の停留所からは屋外を歩きます。
黒潮大水槽など、フラッシュ撮影が禁止されている水槽があるため、撮影前に館内の表示を確認してください。
フラッシュ撮影ができないのは、2階の黒潮大水槽、3階の鹿児島の深海コーナー、4階のノコギリザメ水槽・アオリイカ水槽、1階のアザラシ水槽です。
館内では無料Wi-Fiが使え、正面入口などには使用後に100円硬貨が戻るコインロッカーもあります。
8.石橋記念公園・石橋記念館で石造りの橋を眺める
石橋記念公園では、甲突川に架かっていた「五石橋」のうち、1993年の水害で流失を免れた3橋が移設・保存されています。
なかでも、移設・復元された4連アーチの西田橋は、五石橋を代表する橋として知られています。
カゴシマシティビューの「石橋記念公園前」で下車し、公園へ向かいます。
記念館では石橋の歴史や架橋技術を学べるので、橋の曲線や石の組み方を眺める前後に立ち寄ると理解が深まります。
石橋記念館は入館無料で、開館時間は9時〜17時(7月・8月は19時まで)です。
屋外の公園散策と記念館への入館は分けて考え、展示を見る日は記念館の開館日も確認しましょう。
記念館は月曜日(祝日の場合は翌日)と12月31日〜1月2日が休館日です。
桜島フェリーで渡り、桜島港から歩ける名所を楽しむ
桜島では港周辺に行き先を絞れば、車を使わず火山の展示と海辺の足湯を組み合わせられます。
鹿児島中央駅前から市電で「水族館口」へ向かい、鹿児島港の桜島フェリーターミナルまで歩いて、桜島港行きのフェリーに乗ります。
桜島フェリーは鹿児島港と桜島港を約15分(気象・海況により20分程度)で結び、運賃は大人(中学生以上)250円、小児(1歳〜小学生)130円で、大人1人につき同伴の未就学児1人は無料です。
定期航路の運賃は、行きも帰りも桜島港側で支払う仕組みです。
鹿児島港から乗る場合は乗船時に支払わず、桜島港に着いてから改札で支払います。
現金のほか、ラピカやクレジットカードなどのタッチ決済も利用できます。
定期航路は深夜0時台〜3時台の便を運航していないため、早朝や夜遅くに移動する場合は時刻表を確認しましょう。
港周辺より先の湯之平展望所などへ足を延ばす場合は、桜島港発着の周遊バス「サクラジマアイランドビュー」(1周約55分)も利用できます。
9.桜島ビジターセンターで火山の成り立ちを学ぶ
桜島ビジターセンターは、桜島の噴火や地形の変化を映像や模型などで学べる施設です。
桜島港フェリーターミナルから徒歩約10分で、港周辺の散策を始める前に立ち寄れます。
開館時間は9時〜17時で、年中無休、入館料は無料です。
桜島全景の立体模型や過去の大噴火を再現したジオラマ、200インチの大型スクリーンで見る映像など、火山の姿を多角的に知る展示がそろっています。
展示で火山の成り立ちを知ってから外の景色を見ると、海辺の風景にも関心を広げやすくなります。
館内には多目的トイレや授乳室があり、Wi-Fiの利用可否は現地で確認してください。
10.「桜島」溶岩なぎさ公園足湯で海を眺める
「桜島」溶岩なぎさ公園足湯は、桜島港から歩いて行ける海辺の足湯です。
全長約100mと国内最大級の長さがあり、無料で9時から日没まで利用できます。
目の前に錦江湾、背後に桜島が広がり、ビジターセンターと合わせて訪ねられます。
足湯は靴と靴下を脱いで足を湯につける楽しみ方で、足を拭くタオルを持参すると便利です。
タオルを忘れた場合は、桜島ビジターセンターで購入できます。
席を広く占有せず、靴や荷物が通路をふさがないよう気を配りましょう。
車なしの鹿児島旅行を無理なく組み立てるコツ
行きたい場所だけでなく、天気、施設の開館状況、帰りの交通手段を合わせて考えると、当日の変更に対応しやすくなります。
近いエリアをまとめ、目的地を増やしすぎない
街歩きが中心なら維新ふるさと館と天文館、火山に関心があるなら桜島港周辺というように、まず旅の軸を決めましょう。
仙巌園や城山を追加する場合も、乗車時間だけでなく、待ち時間や停留所から歩く区間を予定に含めてください。
桜島から戻る日は、フェリーの後に乗る市電やバスの運行時間も確認しておきましょう。
雨や桜島の降灰に備えて屋内の候補も用意する
屋外の景色を楽しむ予定には、天候に合わせて変更できる余地を残しておきましょう。
雨の日は、維新ふるさと館、黎明館、いおワールドかごしま水族館、桜島ビジターセンターといった屋内展示のある施設が候補になります。
当日の状況に応じた予定の組み替え方を整理しました。
| 当日の状況 | 予定の組み替え | 確認すること |
|---|---|---|
| 見通しのよい晴天 | 展望地を先に回る | 帰りのバス時刻 |
| 雨が続く日 | 屋内展示を軸にする | 開館日と徒歩区間 |
| 降灰が気になる日 | 屋外散策を短くする | 降灰予報 |
| 強風や荒天 | 渡航を再検討する | フェリー運航情報 |
桜島に渡る前は火山情報も確認し、現地の立入規制や案内に従ってください。
- 乗り換え時に参照できるよう、目的地と停留所の日本語名を保存する。
- 歩きやすい靴を選び、雨具や足湯用のタオルを持参する。
- 乗車券は、利用する交通機関が対象に含まれるか確認して選ぶ。
- 市電では全国共通交通系ICカードが使えないため、現金やタッチ決済できるカードを用意する。
まとめ
鹿児島中央駅からの車なし観光は、市電で街へ出る、バスで城山へ上がる、JRで仙巌園へ向かう、フェリーで桜島へ渡ると考えると、行程を組み立てやすくなります。
市電やカゴシマシティビューを何度も使う日は一日乗車券を活用し、JRやフェリーの運賃は別に用意しておくとスムーズです。
気になるエリアを絞り、開館状況と帰りの交通を確認しておけば、歴史や食、海辺の景色を自分のペースで楽しめます。





口コミ (0)