水元公園とは?都内唯一の水郷景観を楽しめる葛飾区の都立公園
水元公園(みずもとこうえん)は、東京都葛飾区を中心に広がる、小合溜(こあいだめ)沿いの都立公園です。
1965年(昭和40年)4月1日に開園し、面積は約96.7ヘクタール、一部は埼玉県三郷市にまたがっています。
水元公園は、都内で唯一水郷の景観をもった公園です。
はなしょうぶ園やメタセコイアの森など季節ごとの見どころも多く、水辺の開放感と木立の落ち着いた雰囲気を楽しみたいときに、旅の予定に加えたい散歩先です。
小合溜の歴史と水路がつくる水郷の景色
小合溜は、8代将軍徳川吉宗に紀州から招かれた井沢弥惣兵衛(いざわやそべえ)が、1729年(享保14年)に水害防止と農業用水の確保のために整備した溜井(ためい)です。
かつて古利根川と呼ばれた流れを締め切ってつくられ、その水は葛飾や江戸川流域の水田を潤してきました。
園内には小合溜から引いた大小の水路が巡り、水と緑が入り組む「水郷」の風景が広がっています。
広い水面を眺める場所だけでなく、水生植物や水辺の樹木に目を向けられる場所があるのも特徴です。
ポプラやメタセコイア、ハンノキなど水辺に強い樹木が育ち、ハナショウブやスイレン、ハスといった水生植物も多く見られます。
遠くの景色を見渡す散歩と、足元の自然を観察する散歩を組み合わせると、公園の表情の違いを楽しめます。
水元公園の入園料は無料|園内施設の営業時間は別に確認する
水元公園は常時開園で、入園は無料ですが、駐車場など一部に有料施設があります。
サービスセンターや展示施設などは、公園の開園とは別に営業時間や休業日が設定されています。
展示施設の水辺の生きもの館とグリーンプラザはいずれも入館無料で、開館時間は9時30分〜16時30分、休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始です。
園内のレストラン「涼亭」は10時〜17時(食事の注文は16時まで)で月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始が休業、売店「パークス水元」は9時〜17時で12〜2月の火曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始が休業です。
散歩だけの訪問と、展示や施設利用を目的とする訪問では、事前に確認する内容を分けておきましょう。

水元公園の見どころ|水辺・メタセコイアの森・中央広場を巡る
初めてなら、水元大橋周辺の水辺、メタセコイアの森、中央広場を地図で見つけ、歩きたい場所を絞ると計画が立てやすくなります。
園内は小合溜に沿って細長く広がっているため、すべてを歩こうとせず、見たいエリアを先に決めておくと無理なく回れます。
水元大橋周辺で小合溜の水面の広がりを眺める
水元大橋は、はなしょうぶ園や噴水広場の近くにあり、園内で現在地を確かめる目印になります。
周辺には睡蓮池や釣堀もあり、水辺らしい景色がまとまって楽しめるエリアです。
水辺に出たら、先を急がず、水面と岸辺の木々を一緒に眺めてみてください。
写真を撮るときも、橋や通路の中央で立ち止まり続けず、ほかの人が通れる場所を選びましょう。
メタセコイアの森|約1,500本が並ぶ都立公園最大規模の森
メタセコイアの森には、「生きている化石」として知られるメタセコイアがおよそ1,500本植えられており、本数は都立公園で最大規模です。
森は記念広場から中央広場にかけて広がり、まっすぐ伸びる幹と、季節ごとに変化する葉の色が見どころです。
水辺から森へ歩くと、広い空を見渡す景色から、木々の間を見上げる景色へと視線が変わります。
木の全体だけでなく、幹の並びや枝の形にも注目すると、花の季節以外にも散策の楽しみが見つかります。
中央広場とポプラ並木でのんびり過ごす
中央広場は、面積約10ヘクタールのなだらかな草地の丘が広がる場所です。
芝生に腰を下ろしたり寝転んだりして、視界いっぱいに広がる空を眺められるのも魅力です。
園内にはポプラ並木もあり、水辺の散歩に草地や並木の景色を組み合わせられます。
休憩を挟みながら歩き、全エリアを巡ることよりも、その日に気に入った景色の前で過ごす時間を大切にするとよいでしょう。

水元公園の季節の見頃|桜・花菖蒲・紅葉の時期
花を目当てに歩く季節と、木々の色や枝ぶりを楽しむ季節では、注目したい風景が変わります。
開花や色づきは年ごとに前後するため、訪問前には公園の園内情報も確かめましょう。
春の桜と6月のはなしょうぶ園の花菖蒲に注目する
春はサクラ、初夏ははなしょうぶ園のハナショウブが散策の楽しみになります。
春はサクラのほかサトザクラやヤマザクラも楽しめ、ソメイヨシノの見頃は例年3月下旬〜4月上旬ごろが目安です。
公園沿いには、約3.5キロメートルにわたって約460本の桜が咲く遊歩道「水元さくら堤」もあります。
はなしょうぶ園は都内最大規模で、16枚の菖蒲田からなる約9,000平方メートルの園内に、約100品種・約1万4千株(約20万本)のハナショウブが植えられています。
花菖蒲の見頃は6月上旬〜下旬で、この時期には水元公園と堀切菖蒲園を会場に「葛飾菖蒲まつり」が開かれ、2026年は5月25日〜6月14日に開催されました。
花菖蒲は、園内の表示では「ハナショウブ」と書かれることもあるので、同じ植物を指す名前として覚えておくと便利です。
花の色だけでなく、葉の形や水辺との組み合わせにも目を向けると、花壇を見るのとは違う印象が残ります。
夏はオニバスやアサザなど水元公園ならではの水生植物を観察する
夏はミソハギやハンゲショウ、ガマなど、水辺の植物が見頃を迎えます。
中でもオニバスとアサザは貴重な水生植物で、水元公園が都内唯一の自生地とされています。
保全区域の「水辺のさと」では水生植物の保存展示が行われ、オニバス池などは開花時期に一般開放されます。
水辺のさとの利用時間は9時〜16時30分(最終入場16時)で、月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始は閉場です。
水辺のさとには、葛飾区が所管する江戸金魚の繁殖展示施設もあります。
秋はメタセコイアとポプラの紅葉、冬は木立の輪郭を楽しむ
メタセコイアは、秋の紅葉に加え、葉を落とした冬の姿も観察できます。
メタセコイアやポプラなどの紅葉の見ごろは11月上旬〜12月中旬ごろが目安で、メタセコイアの森がレンガ色に染まる景色が見事です。
冬はツバキの花が咲き、雪が降った日には雪化粧したメタセコイアの姿が見られることもあります。
紅葉の写真を参考に予定を立てる場合も、同じ色づきが毎年同じ日に見られるとは考えず、実際の状況に合わせて訪問日を選びましょう。
季節ごとの景色と、散歩で注目したい点を整理しました。
| 季節(目安) | 景色の変化 | 注目する点 |
|---|---|---|
| 春(3月下旬〜4月) | サクラの開花 | 花と水辺の組合せ |
| 初夏(6月上旬〜下旬) | ハナショウブの花 | 花色と葉の形 |
| 秋(11月上旬〜12月中旬) | メタセコイアやポプラの紅葉 | 木立全体の色 |
| 冬 | 落葉した木々とツバキ | 幹と枝の輪郭 |

水元公園のバードサンクチュアリーと展示施設で自然を知る
野鳥の観察場所や自然を紹介する展示を組み合わせると、歩くだけでは気づきにくい公園の一面に触れられます。
バードサンクチュアリーでは観察舎から静かに野鳥を観察する
バードサンクチュアリーは、自然の景観に近い水辺を鳥たちのすみかとして整えたエリアで、野鳥を観察するための観察舎が8カ所あります。
鳥を探して追いかけるのではなく、周囲の音に耳を澄ませながら、離れた場所から動きを見守りましょう。
双眼鏡があれば近づかずに姿を捉えやすくなりますが、特定の鳥との出会いを前提に予定を組まないことも大切です。
水辺の生きもの館で身近な自然を学ぶ
水辺の生きもの館では、公園の植物や昆虫、野鳥、沿革などを紹介しています。
公園に生息する魚や、都内で唯一自生するオニバスの種子や花(閉鎖花)などを観察できるため、水辺で見たものをさらに知りたい人に向いています。
施設は第2駐車場や水辺のさとの近くにあり、入館は無料です。
展示に立ち寄る日は、屋外の散歩を終えてからでも間に合うか、先に施設の利用時間を確かめてください。
グリーンプラザで公園の自然と歴史に触れる
グリーンプラザでは、館内で水元公園の自然や歴史について展示しているほか、温室や野草園で珍しい植物を楽しめます。
館内には防災ショウルームもあります。
水元公園は、災害時の避難場所や大規模救出救助活動拠点の候補地として、防災上の重要な役割も担っています。
グリーンプラザは中央広場や水生植物園の近くにあり、水辺の生きもの館とは園内の離れた場所に位置しています。
自然観察を中心に歩きたいときは、園内マップで水辺の生きもの館との位置関係を確認し、移動する範囲を決めましょう。
展示を見た後で同じ木や水辺を眺め直す、という楽しみ方もできます。

水元公園へのアクセスと歩く前の準備
最寄り駅から公園までの移動と、園内で目的地へ向かう移動は分けて考えておくと、現地で迷いにくくなります。
金町駅・京成金町駅からバスと徒歩で向かう
鉄道ではJR常磐線各駅停車(東京メトロ千代田線直通)の金町駅、または京成金町線の京成金町駅がアクセスの起点になります。
金町駅・京成金町駅から路線バス(金61・金62系統)に乗って「水元公園」停留所で下車し、徒歩約7分で公園へ向かえます。
3月〜11月の土日祝日には、金町駅発着の「水元公園循環バス」(金63系統)も9時〜16時40分ごろの時間帯に運行され、各停留所の発車時刻は異なります。
乗車前に行き先と停車するバス停を確認し、帰りの金町駅方面の乗り場も地図に保存しておくと安心です。
車で行く場合は駐車場の料金と休日の混雑に注意する
公園には第1〜第3駐車場があり、有料・24時間営業で287台分(うち障害者用8台)が用意されています。
普通車の料金は1時間まで300円、以降20分ごとに100円で、入庫後12時間の最大料金は1,200円です。
第1・第2駐車場の精算は交通系電子マネーやクレジットカードにも対応し、駐車場では無料Wi-Fi(1日3時間まで)も利用できます。
休日は周辺道路が混雑しやすいため、公共交通機関の利用も検討しましょう。
園内マップで目的地とトイレの位置を確認する
園内マップには英語表記が併記され、バリアフリーマップも用意されています。
マップの凡例では、トイレや車いす使用者対応トイレ、授乳室、ベビーベッド、AEDなどの記号が、日本語・英語・中国語・韓国語で説明されています。
ベビーカーや車いすを利用する場合は、園路の情報と利用したいトイレの位置を照らし合わせておきましょう。
出発前には、歩くための持ち物を整えておくと便利です。
- 歩きやすい靴
- 飲み物と、帽子や虫よけなど季節に合わせた対策用品
- 目的地の日本語名も保存した園内マップ
暑い日は木陰で休憩し、こまめに水分を取るなど、歩く範囲を天候に合わせて調整してください。
水元公園での写真撮影・ピクニック・バーベキューのマナー
写真撮影や休憩では、景色のよい場所を独占せず、ほかの利用者と場所を譲り合うことが基本です。
記念写真と撮影会では手続きが異なる
散歩中に撮る個人の風景写真や家族の記念写真で、場所を独占しないものは原則として申請不要です。
一方、営利・非営利を問わず、一定の場所を独占的に使う撮影会や婚礼写真の前撮りなどは、事前の申請と許可が必要です。
水元公園では、記念撮影など撮影自体を目的に来園する場合は、家族での撮影でも事前に許可の要否を確認してください。
許可が必要な撮影は原則として1週間前までに水元公園サービスセンター(電話03-3607-8321)へ相談し、撮影可能時間は土日祝日を除く平日9時〜16時(準備・撤収を含む)です。
12月24日〜1月5日は許可対象の撮影ができず、催事・混雑時や撮影場所にも制約があるため、サービスセンターへ確認しましょう。
バーベキュー・犬の散歩・テントは利用条件を確かめる
ピクニックでは、食べ残しやごみを置いて帰らず、次の人も気持ちよく使える状態に戻しましょう。
バーベキュー広場は完全予約制なので、散歩の途中で思い立って火を使うのではなく、あらかじめ利用方法を確認してください。
予約は利用予定日の前月1日午前9時からインターネットまたは電話で受け付けており、場所(サイト)のみの利用は無料です。
器材や食材がそろった手ぶらで楽しめるバーベキューセットも用意されています。
犬の散歩やテントの使用にも条件があるため、普段利用している公園と同じルールだと決めつけないことが大切です。
犬の散歩ではリードを付け、フンは必ず持ち帰りましょう。
園内には登録制の無料ドッグラン(小型犬エリアと中・大型犬エリア)もあり、利用にはオンラインでの事前申請が必要です。
草地広場では、混雑を避け、ペグを打ち込まず1方向以上を開放した1辺2メートル以下のポップアップテントなどの簡易テントを、9時〜17時の間に使用できます。
大人数用のテントや、ロープで樹木などに固定する設置はできないので注意しましょう。
撮影や持ち込みを伴う過ごし方の注意点を整理しました。
| 場面 | 心がけること | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 個人の写真 | 周囲に配慮 | 通路をふさぐ |
| 場所を占有する撮影 | 事前に申請・許可 | 無許可での占有 |
| 犬の散歩 | リードを付け、フンを持ち帰る | 放し飼い |
| テントの使用 | 混雑を避け、1方向以上を開放した1辺2m以下の簡易テントを9〜17時に使用 | ペグ打ちや大型テントの設置 |
まとめ
水元公園では、小合溜の水辺、メタセコイアの森、季節の花を組み合わせて、自分のペースで散歩を楽しめます。
6月上旬〜下旬のはなしょうぶ園や、11月上旬〜12月中旬の紅葉など、見頃の時期に合わせて訪れるのもおすすめです。
初めての訪問は見たい景色を絞り、入口・目的地・帰り道を園内マップで確認するところから始めましょう。
展示施設の営業や撮影などの利用条件も押さえて、自然とほかの来園者に配慮しながら過ごしてください。





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