香川の穴場スポット10選を選ぶ視点
香川の穴場スポットを探すときは、写真映えだけでなく、船の便数、島内の移動手段、港町が生活の場であることまで確かめると、無理のない旅になります。
この記事では、定番の観光地から少し範囲を広げ、瀬戸内海の小島と海運や商いの記憶が残る港町から10カ所を選びました。
「穴場」は混雑の少なさを保証しない
掲載した場所にも芸術祭、行事、花の時期などに来訪者が集まる場合があり、いつでも静かに過ごせるとは限りません。
知名度の低さではなく、島の地形や町の歴史を歩いて確かめられる場所という視点で選んでいます。
島ごとに港と帰りの便を確認する
香川の島は出発港が丸亀、多度津、須田、宮の下、観音寺、高松と分かれるため、同じ日に複数方面を結ぶ計画は避けるのが基本です。
定期船の時刻、欠航情報、島内の飲食や休憩場所を訪問直前に確認し、飲み物と歩きやすい靴を準備してください。
| 地域・出発港 | スポット | 主な魅力 | 計画時の注意 |
|---|---|---|---|
| 丸亀港 | 本島・笠島まち並保存地区 | 塩飽の海運史と建築 | 島内移動を確認 |
| 多度津港 | 高見島 | 石垣と斜面集落 | 坂道を歩く装備 |
| 須田港 | 粟島 | 海員学校の記憶 | 帰りの船を確認 |
| 宮の下港など | 志々島 | 大楠と島の習俗 | 飲み物を持参 |
| 観音寺港 | 伊吹島 | いりこと漁村文化 | 生活道路に配慮 |
| 高松港 | 男木島 | 斜面集落と灯台 | 徒歩時間を確保 |
| 坂出市 | 沙弥島 | 古代の遺跡と海景 | 風と日差しに注意 |
| 東かがわ市 | 引田の町並み | 商家と醸造の町 | 公開施設を確認 |
| 宇多津町 | 宇多津・古街 | 寺社と町家 | 地域生活に配慮 |
| 高松港周辺 | 北浜alley | 港湾倉庫の再生 | 店舗ごとの営業確認 |
塩飽諸島で海運の歴史を歩く
丸亀港と多度津港の沖には、海上交通を支えた人々の歴史と、急斜面に築かれた集落景観が残っています。
港から先は徒歩や自転車が中心になるため、見学地点の数よりも移動時間を優先して計画しましょう。
1. 本島・笠島まち並保存地区
本島は塩飽諸島の海運史を伝える島で、塩飽勤番所や笠島まち並保存地区を巡ると、船乗りと自治の歴史を立体的に学べます。
笠島には江戸時代から戦前にかけて建てられた建物が続き、漆喰の白壁、なまこ壁、格子窓などに塩飽大工の技が見られます。
公開施設と個人住宅を区別し、外観を撮影するときも玄関先や路地をふさがないよう地域の暮らしを優先してください。
港から笠島までの移動方法や施設の公開日は変わる場合があるため、丸亀市や観光案内の情報を確認してから渡りましょう。
2. 高見島
高見島では、急斜面に自然石を積み上げた石垣と、細い路地に沿って家々が重なる浦集落の景観を歩いて味わえます。
海に近い浜集落と斜面上の浦集落を見比べると、地形に合わせて住まいと道が築かれたことが分かります。
島内の移動は徒歩が基本で坂や階段が多いため、荷物を軽くし、港の案内板で帰路と散策範囲を先に確認してください。
芸術作品や飲食の営業を前提にせず、定期船と島内設備の案内を確かめてから訪問するのが安心です。
三豊沖の小島で海と暮らしに触れる
荘内半島の沖に浮かぶ粟島と志々島では、海員教育の記憶と、巨樹を中心に続く島の文化をそれぞれ訪ねられます。
どちらも徒歩区間が長くなるため、短時間で名所だけを回るより、船の間隔に合わせて滞在を組み立てましょう。
3. 粟島
粟島には海員養成学校の旧校舎を利用した粟島海洋記念館がありますが、改修工事のため全面立入禁止となっています。
粟島海員学校は1897年(明治30年)に日本初の海員養成学校として誕生し、現存する校舎は1920年(大正9年)に建てられ、国の登録有形文化財に登録されています。
木造の洋風建築は島の港景観の目印でもあり、海と教育施設が近接する配置を見ると、航海と暮らしの結び付きが想像できます。
島は入り組んだ形をしているため、港周辺を歩くのか、北部まで足を延ばすのかを先に決めると帰りの船に余裕を持てます。
記念館の再開状況や飲食施設の営業日は事前に確認し、必要な飲み物を持って渡ってください。
4. 志々島
志々島の大楠は県指定の天然記念物で、樹齢1200年以上ともいわれる大木が斜面の集落を見守るように枝を広げています。
幹周りは約14m、樹高は約40mとされ、島のシンボルとして親しまれています。
港近くには埋め墓と参り墓を分ける両墓制の文化も残り、島の自然だけでなく人々の弔いと暮らしの歴史に触れられます。
大楠へ向かう道には坂と階段が多いため、滑りにくい靴を選び、暑い時期は飲み物や虫よけを用意しましょう。
墓地や住宅は観光施設ではないので、近づきすぎず、人物や家屋を撮影するときは住民への配慮を欠かさないでください。
西讃と高松沖で漁村の地形を知る
伊吹島と男木島は出発港が異なりますが、坂道と細い路地が島の生活を形づくっている点を見比べられます。
どちらも島全体を短時間で回ろうとせず、集落、海辺、歴史地点のうち優先する場所を決めてください。
5. 伊吹島
伊吹島は地域団体商標に登録された伊吹いりこの産地で、港周辺では漁船や加工場が近接する漁業の島らしい風景が見られます。
斜面の集落を歩くと、共同で産後を過ごした習俗を伝える伊吹産院跡など、島独自の生活文化にも触れられます。
漁業施設は仕事の場であり、作業中の岸壁や加工場へ無断で入らず、車両と住民の通行を妨げないことが大切です。
買い物や飲食の選択肢は限られる場合があるため、観音寺港で必要なものを用意し、帰りの便まで確認してから乗船しましょう。
6. 男木島
男木島は斜面に家々が重なる集落と迷路のような路地が特徴で、港から高い場所へ歩くほど海と屋根の見え方が変わります。
島の北端には石造りの男木島灯台があり、集落とは異なる開けた海辺の景観と海上交通の歴史を感じられます。
この灯台は1895年(明治28年)に建てられた総御影石造りの洋式灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれています。
港周辺の芸術作品や施設は公開日時が異なるため、作品鑑賞だけに旅程を依存せず、集落歩きと灯台までの往復時間を見込みましょう。
細い路地は住民の生活道路なので、大人数で立ち止まらず、私有地や窓の内側を無断で撮影しないでください。
陸続きの元島と港町を訪ねる
坂出、引田、宇多津では、海岸の遺跡、商家、寺社と町家を通して、瀬戸内海と陸上交通が交わった地域の歴史を比べられます。
離島より立ち寄りやすい一方で、住宅や店舗が並ぶ現役の町であることを意識して歩きましょう。
7. 沙弥島
沙弥島はかつて坂出港沖に浮かんでいましたが、埋め立てによって陸続きとなり、今も瀬戸内海と瀬戸大橋を望める場所です。
ナカンダ浜周辺からは縄文土器や石器、製塩に関わる土器が見つかっており、海辺の景観と古代の暮らしを重ねて考えられます。
周辺の美術館や記念公園と組み合わせると、考古、現代建築、橋の景観を徒歩圏でゆっくり巡れます。
海辺は風が強く日差しを遮る場所が少ないため、季節に応じた服装を用意し、遺跡や植生を傷めない範囲で散策してください。
8. 引田の町並み
東かがわ市の引田には商家、醸造に関わる建物、細い路地が残り、港を背景に発展した町の商いを歩いてたどれます。
讃州井筒屋敷は酒としょう油づくりを営んだ商家を活用した施設で、母屋の見学や地域の伝統産業に触れる拠点になります。
赤壁や格子、蔵など外観の違いを見比べながら本町通り周辺を歩くと、建物が道に向けてどのように構えられたかが分かります。
施設や店舗ごとに営業日と公開範囲が異なるため、町並み全体を屋外散策として楽しみ、内部見学は公式案内で確認してください。
9. 宇多津・古街
宇多津の古街は中世以降に港町として栄えた旧市街で、寺社、町家、洋館が近い範囲に並んでいます。
郷照寺、宇夫階神社、倉の館三角邸などを結ぶと、信仰、商い、近代化が重なった町の時間を歩いて感じられます。
道には地域の雰囲気に合わせた舗装が施され、起伏が少ないため、建物の正面だけでなく路地や屋根の連なりを観察しやすい地域です。
行事の時期は来訪者が増える場合があるので、静かな散策を望む場合は開催予定を確認し、住宅前での長時間の滞在を避けましょう。
高松港の倉庫街と島旅の計画
高松港周辺では、島へ渡る前後に港湾の記憶を残す建物を歩き、船旅と市街地観光をつなげられます。
島と本土側の町を同日に組み合わせる場合は、帰港後にも余裕を残す計画が安全です。
10. 北浜alley
北浜alleyは高松港に近い旧倉庫群を活用した複合エリアで、外壁や梁など港湾建築の名残を感じながら路地を歩けます。
カフェ、物販、飲食、宿泊など用途の異なる店舗が入るため、ひとつの施設として急いで回るより、建物と港の位置関係を眺めながら過ごすのが向いています。
各店舗の営業日や時間は共通ではなく変更される場合もあるので、目的の店があるときは個別の公式情報を確認してください。
高松港から徒歩で立ち寄れますが、路地や駐車場は利用者が行き交うため、撮影時も通行を妨げないよう配慮しましょう。
出発港ごとに旅程を分ける
本島は丸亀、高見島は多度津、粟島と志々島は三豊、伊吹島は観音寺、男木島は高松という単位で日を分けると、乗り継ぎの無理を減らせます。
陸路の日は沙弥島と宇多津、または引田と高松というように方向をそろえ、島便が欠航したときの代替候補として考えるのも一案です。
運賃、時刻、施設の料金や営業時間は変わるため、訪問直前には自治体、観光協会、船会社、各施設の公式情報を優先してください。
まとめ|香川の島と港町を静かに巡ろう
香川の穴場スポットでは、塩飽の海運史、斜面集落、海員教育、漁業、古代の海辺、商家と倉庫街という多様な景観から瀬戸内の暮らしを感じられます。
出発港と帰りの便を先に決め、公開施設と生活空間を区別して歩くことで、島と港町の隠れた名所を無理なく丁寧に巡れます。








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