宇都宮城址公園とは|街なかで城の歴史に触れる
宇都宮城址公園(うつのみやじょうしこうえん)は、栃木県宇都宮市の中心市街地にある、江戸時代中期の宇都宮城本丸の一部を復元した入園無料の公園です。
宇都宮市役所の東側に位置し、櫓や堀を眺める散策と、展示を通して地域の歴史を知る楽しみを組み合わせられます。
約3.7ヘクタールの園内には、堀や土塁とともに、清明台と富士見櫓という2基の櫓が復元されています。
2007年(平成19年)3月25日に供用が始まり、戊辰戦争で失われた宇都宮城の一部が約140年ぶりによみがえりました。
宇都宮城本丸を絵図や発掘調査をもとに復元
現在見られる櫓や土塀などは、絵図面などの資料と発掘調査の成果をもとに復元されたものです。
復元の時代は、資料が多く残り、本丸御殿などが存在していた江戸時代の中ごろに設定されています。
資料で分からない部分は、宇都宮城と同じく徳川幕府の関与が強かった大阪城、二条城、小田原城の実例を参考にしています。
宇都宮城は1868年の戊辰戦争で建物の大半を失い、その後は堀も次第に埋められました。
目の前の景観は、調査を重ねて城の姿を伝え直したものと知っておくと、建物だけでなく地形にも目が向きます。
現代の法令や安全性などを考慮して史実と異なる部分もあり、復元した部分とそうでない部分を区別できるように整備されています。
園内を歩くときは、復元された部分がかつての本丸のどこに当たるのか、案内図と見比べてみましょう。
日光社参で将軍が宿泊した宇都宮城の歴史
宇都宮城は平安時代後期に築かれたと考えられ、約500年にわたってこの地を治めた宇都宮氏の居城でした。
江戸時代には譜代大名の城となり、城主の本多正純(ほんだまさずみ)が城と城下町を大きく改造して、現在の中心市街地の骨格をつくったとされています。
江戸時代の宇都宮城は、将軍が日光東照宮へ参詣する「日光社参(にっこうしゃさん)」の際に宿泊する城でした。
本丸には将軍のための御成御殿(おなりごてん)が設けられ、城と城下町は旅を支える役割も担っていました。
当時の宇都宮城は東西・南北ともに約1キロメートルに及ぶ大きな城で、東北や日光へ向かう北関東の重要な拠点でした。
日光観光と合わせて訪れるなら、参詣先だけでなく、道中の滞在を支えた街にも目を向けられます。

清明台・富士見櫓と土塁を見学するポイント
城のつくりをつかむには、清明台と富士見櫓を見てから、その足元に続く土塁や堀へ視線を広げると分かりやすくなります。
清明台と富士見櫓の規模や屋根・壁を見比べる
清明台(せいめいだい)と富士見櫓(ふじみやぐら)は、どちらも木造2層の本瓦葺きで、土壁に白漆喰(しろしっくい)を塗った櫓です。
北側の清明台は約5.9メートル×6.9メートル、南側の富士見櫓は約5.9メートル×7.9メートルの大きさで、高さはともに約10メートルあります。
近くでは屋根の形や壁の仕上げ、少し離れた場所では土塁と建物の重なりに注目してみてください。
江戸時代の宇都宮城には天守閣がなかったため、櫓と周囲の構造を合わせて見ることが、この城を理解する手がかりになります。
清明台は、城主の本多正純が天守の代わりとして用いた櫓と伝えられています。
富士見櫓はその名のとおり、気象条件が整えば2階から富士山を望めます。
土塁・土塀・堀の規模と違いを知る
土塁の高さと、土塀や堀の位置関係を意識すると、城の内側と外側を分ける構造が見えてきます。
復元された土塁は高さ約10メートル、幅約20メートル、延長約230メートルの規模です。
白漆喰塗りの土塀は延長約160メートル、高さ約2.6メートルで、堀の幅は場所によって約11〜26メートルあります。
建物だけを追うよりも、地面の高低差や水辺に目を向けると、城跡の散策に奥行きが生まれます。
土塁の上へはエレベーターでも昇れるので、高い位置から堀や園内を見渡し、城の守りの構造を確かめてみましょう。
案内を読むときに役立つ、城の基本用語を整理しました。
| 用語 | 読み方 | 基本的な意味 |
|---|---|---|
| 本丸 | ほんまる | 城の中心となる区画 |
| 櫓 | やぐら | 見張りや防御の建物 |
| 土塁 | どるい | 土を盛った防御施設 |
| 土塀 | どべい | 土を用いて造る塀 |
| 堀 | ほり | 地面を掘った防御施設 |
櫓の2階に入れる日|毎月第3日曜の特別開放
清明台と富士見櫓は、通常は午前9時から午後7時まで、1階部分を無料で内部見学できます。
2階は通常公開されておらず、特別開放の機会に見学できます。
特別開放は毎月第3日曜日に行われ、時間は午前11時から午後2時までです。
会場は原則として清明台ですが、12月と1月は富士見櫓に変わり、時間も午前8時から午前11時までになります。
事前の申し込みは不要で、小学生以下の子どもは保護者の同伴が必要です。
開放時には、宇都宮城愛護会による歴史解説も行われます。
特別開放は開催日時や対象となる櫓が変更される場合があり、雨天中止の案内もあるため、上階の見学を目的にするなら事前に開催情報を確かめましょう。
開催月によって会場が富士見櫓に変更されたり、悪天候で中止になったりすることがあります。

清明館と展示施設で宇都宮の歴史を深める
公園の景観に展示の情報を重ねると、復元された城と現在の街のつながりが分かりやすくなります。
城の歴史と市内の文化を、それぞれの施設でたどってみましょう。
清明館の歴史展示室で宇都宮の歴史と文化財に触れる
清明館(せいめいかん)の歴史展示室では、宇都宮市の歴史と文化財に関する展示を無料で見学できます。
清明館歴史展示室の開館時間は午前9時から午後5時までで、年末年始は休館です。
出土品や、宇都宮城に関わる絵図・文献などの資料に触れると、屋外で見た景色を歴史の中に位置付けやすくなります。
先に公園を歩いて気になった点を展示で確かめる方法も、展示を見てから建物を探す方法もよいでしょう。
宇都宮城ものしり館とまちあるき情報館を使い分ける
宇都宮城ものしり館は城の歴史を、まちあるき情報館は市内観光や街歩きに役立つ情報を案内しています。
宇都宮城ものしり館は、土塁を抜けるトンネル部分の北側にあります。
城があった時代の様子を知りたいときと、この後の散策先を考えたいときで、立ち寄る施設を選べます。
展示施設には開館時間があるため、屋外の散策だけでなく展示も見たい日は、訪問前に施設ごとの開館案内を確認してください。

宇都宮城址公園の桜の見頃と楽しみ方
桜の季節は、種類ごとの咲き方や植えられた場所の違いに注目すると、園内を歩く楽しみが広がります。
河津桜から大山桜まで4種類の桜の見頃
園内には河津桜、しだれ桜、ソメイヨシノ、大山桜(おおやまざくら)の4種類が植えられ、2月下旬から4月中旬まで長く花見を楽しめます。
河津桜は早咲きで、しだれ桜はソメイヨシノよりやや早め、大山桜はやや遅めに咲きます。
開花時期の目安は、河津桜が2月下旬〜3月下旬、しだれ桜とソメイヨシノが3月下旬〜4月中旬、大山桜が4月上旬〜4月中旬です。
同じ日にすべてが満開になると考えず、訪れたときに咲いている木を探すとよいでしょう。
桜の種類と特徴、園内で探す場所を整理しました。
| 桜の種類 | 見比べたい特徴 | 主な植栽場所 |
|---|---|---|
| 河津桜 | 早咲き(2月下旬〜3月下旬) | 清明館西側から南側芝生広場の園路沿い |
| しだれ桜 | 左右に大きく伸びて垂れ下がる枝 | 主な入口・清明館南側 |
| ソメイヨシノ | 花数の多さ | 清明館北側・富士見櫓東側の土塁 |
| 大山桜 | 赤みの濃い花色 | 堀沿い |
園内の桜の位置をまとめた「宇都宮城址公園桜マップ」も公開されています。
開花状況を確かめて桜と櫓を一緒に眺める
開花時期はその年の気候に左右されるため、旅行の日程を決める際は開花状況も確認しましょう。
桜を眺めるときは、花だけに近づくほか、少し離れて櫓や土塁が一緒に見える位置を探すのも楽しみ方です。
枝ぶりと建物の輪郭を見比べると、花の季節ならではの城跡の表情を味わえます。
宇都宮城址公園で開かれる季節のイベント
桜の季節と秋には、城跡を会場にしたまつりが開かれ、普段とは違うにぎわいに出会えます。
河津桜の時期に開かれる宇都宮城桜まつり
「宇都宮城桜まつり」は園内の河津桜の開花に合わせて開かれる春のイベントです。
2026年は3月7日(雨天順延)の開催が計画され、子ども向けの和装体験や段ボールかぶと作りなどが企画されました。
開催日や内容は年によって変わるため、早春に訪れる場合は開催案内を確認しましょう。
社参行列が練り歩く秋の宇都宮城址まつり
秋には「宇都宮城址まつり」が開かれ、令和8年度は2026年10月18日(荒天中止)の開催が計画されました。
市役所からオリオン通りを経て公園まで、江戸時代に城主の戸田忠恕が日光東照宮へ参詣した様子を再現する社参行列が企画されました。
園内では清明台2階の開放や甲冑衣装体験、宇都宮城のVR動画体験なども予定されていました。
宇都宮城址公園は2027年3月25日に開園20周年を迎え、記念のフォトコンテストが2027年5月31日まで作品を募集しています。

宇都宮城址公園の開園時間・入園料とライトアップ
見学の計画を立てやすいように、基本情報を整理しました。
- 所在地:栃木県宇都宮市本丸町・旭1丁目(宇都宮市役所の東側)
- 入園料:無料(清明館の歴史展示室も無料)
- 櫓などの歴史建築物:午前9時〜午後7時
- 清明館歴史展示室:午前9時〜午後5時(年末年始は休館)
- 櫓2階の特別開放:毎月第3日曜日(雨天中止)
- ライトアップ:毎週金曜〜日曜の日没〜午後9時
金曜から日曜の夜は櫓のライトアップを楽しめる
毎週金曜日から日曜日は、日没から午後9時までライトアップが行われます。
ライトアップされるのは櫓のみで、ぼんぼりは設置されません。
白漆喰の壁が闇に浮かぶ櫓は昼間とは違う表情を見せるので、夕方以降に到着する日でも堀沿いの散策を楽しめます。
見学時間の目安と過ごし方
櫓の1階と土塁、展示施設をひと通り巡るなら、見学時間の目安として1時間ほどを見込んでおくと落ち着いて見学できます。
櫓の2階開放や季節のイベントに合わせて訪れる場合は、待ち時間や混雑も考えて余裕を持った計画にしましょう。
宇都宮城址公園へのアクセスと見学準備
駅からの移動方法と、屋外の散策・建物内部の見学を分けて考えておくと、当日の予定を組みやすくなります。
JR宇都宮駅からは市内循環バス「きぶな」で約15分
JR宇都宮駅西口バスターミナルの38番のりばからは、関東バスの市内循環線「きぶな」で「宇都宮市役所」または「宇都宮城址公園入口」へ向かう方法があります。
所要時間は約15分が目安です。運行間隔は時間帯や曜日によって異なるため、乗車前に時刻表を確認しましょう。
運賃は改定されることもあるので、乗車前に関東バスの運賃・時刻検索で確かめておくと安心です。
ほかの路線バスを利用する場合は、「馬場町」バス停で降りて徒歩約10分です。
乗る前に運行案内を確認し、降りる停留所の名前を日本語で保存しておくと、車内表示との照合や運転手への確認に役立ちます。
徒歩で向かうならJR宇都宮駅と東武宇都宮駅を区別する
JR宇都宮駅と東武宇都宮駅は別の駅なので、地図検索では出発地点を取り違えないようにしましょう。
目的地には「宇都宮城址公園」を指定し、周辺の街歩きと合わせて無理のない経路を選んでください。
屋外で歩く時間に合わせて、歩きやすい靴や雨具を用意すると散策しやすくなります。
車で行く場合は鹿沼インターチェンジから約20分
車の場合は、東北自動車道の鹿沼インターチェンジから約20分です。
駐車場は、市役所東側の城址公園駐車場か、市役所の東第2駐車場を無料で利用できます。
公園の駐車場は約9台分と限られているため、イベントの日などは公共交通機関の利用も検討しましょう。
車椅子の貸し出しとバリアフリー設備を確かめる
清明館と宇都宮城ものしり館では車椅子をそれぞれ2台貸し出しており、清明台の入口にはスロープがあります。
ただし、各施設に1台ずつある未舗装路用の車椅子は介助が必要で、サイズの都合から土塁上へ上がるエレベーターを利用できません。
AED(自動体外式除細動器)の設置場所や利用できる時間帯は、清明館のスタッフに確認してください。
移動に不安がある場合は、使用する車椅子に合わせて、見たい場所までの経路をスタッフに確認しましょう。
宇都宮城址公園の散策と写真撮影で守りたいマナー
宇都宮城址公園は、観光で訪れる人と日常の散歩を楽しむ人が共に利用する場所です。
園路の縁石には距離が表示されており、散歩やジョギングにも利用されています。
建物や植物を大切にし、周囲の人が通れる空間を保ちながら散策しましょう。
植物や堀を守り、公園のルールに従う
公園施設や植物を傷つける行為、騒音、危険な行為などは禁止されています。
花見や休憩の際も、次の点を守って利用してください。
- 花や枝などの植物を採取しない。
- 堀の中に入ったり、魚を放流したりしない。
- 喫煙をせず、花火など火気も使わない。
- ごみをポイ捨てしない。
ペットを連れている場合、芝生の広場には介助犬を除いて立ち入れず、土塁の上での散歩も禁止されているため、引き綱をつけて園路を歩きましょう。
写真を撮る前に周囲と展示の案内を確認する
屋外で写真を撮る際は、通路や建物の出入口をふさがず、ほかの利用者の写り込みにも配慮しましょう。
画面を見ながら後退せず、足元や周囲を確認してから撮影位置を決めると安心です。
建物内部や展示資料の撮影については、その場の表示やスタッフの案内を確認し、撮影できる範囲を確かめてください。
まとめ|宇都宮城址公園で城のつくりと宇都宮の歴史を知る
宇都宮城址公園では、復元された清明台・富士見櫓と土塁や堀をたどり、街なかで城の歴史に触れられます。
展示施設や季節の桜を組み合わせると、建物を見る楽しみに、地域の歴史や景観を知る視点が加わります。
櫓の2階に入れる毎月第3日曜日や桜の見頃、展示施設の開館時間を確認し、その日の関心や体力に合わせて散策を楽しんでください。









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