森戸海岸と森戸神社で楽しむ葉山の海辺散策
神奈川県葉山町の森戸海岸と森戸神社(森戸大明神)は、砂浜の散策と海辺の古社への参拝を一緒に楽しめる、葉山を代表する海辺のスポットです。
砂浜を歩く時間と、境内で静かに過ごす時間を分けると、それぞれの雰囲気を味わえます。
森戸神社は森戸川の河口部に建ち、JR逗子駅や京急逗子・葉山駅からバスで約15分の場所にあります。
森戸海岸は泳がなくても富士山や江の島の眺めを楽しめる
森戸海岸は遠浅で波が穏やかな砂浜が広がり、天候に恵まれれば富士山や江の島を望めます。
森戸海岸は「関東の富士見百選」にも選ばれています。
泳ぐ予定がなくても、波打ち際から少し離れた場所で海を眺めたり、砂浜をゆっくり歩いたりする過ごし方があります。
海景色を目的に訪れるなら、予定を詰め込みすぎず、空や波の様子を見ながら立ち止まる時間を残しておくとよいでしょう。
赤いみそぎ橋で森戸海岸と森戸神社を行き来する
海岸と神社を結ぶのが、赤い「みそぎ橋」です。
みそぎ橋は神社の入口を右に曲がった先にあり、境内と砂浜を行き来するときの目印になります。
名前は、この海辺で海水を浴びて身を清める禊(みそぎ)が行われてきたことに由来すると伝えられています。
鎌倉時代の森戸は、由比ヶ浜や江の島などと並ぶ「七瀬祓(ななせはらい)」の霊所の一つとされ、災厄を払う祈りが行われた場所でもあります。
橋を渡るときは周囲の人に道を譲り、写真を撮る場合も通行の妨げにならない場所を選びましょう。

森戸海岸の見どころは富士山と沖の鳥居、夕日の景色
森戸の海辺では、遠くの山並み、沖の鳥居、空の色を順に眺めると、景色の奥行きを楽しめます。
森戸海岸から富士山と江の島を眺めるコツ
富士山や江の島の見え方は、雲やかすみなどの条件によって変わります。
到着したらまず海の向こうを見渡し、その日に見える景色に合わせて散策しましょう。
気象条件がよければ年2回、4月と9月に富士山の山頂と太陽が重なる「ダイヤモンド富士」が見られる場合があります。
富士山が見えない日も、海面の光や波の模様に目を向けると、遠景とは違う写真を残せます。
沖の鳥居が建つ名島と葉山灯台を岸から眺める
神社裏手の磯辺から沖合約700メートルには赤い鳥居が建つ名島(菜島)があり、名島の岩礁に建つ葉山灯台も景観の目印になります。
鳥居は名島の祠に祀られる森戸神社の龍神宮のもので、海と信仰のつながりを感じられる風景です。
名島の鳥居は三嶋大社の方角を向いているといわれています。
葉山灯台は、ヨットマンだった俳優・石原裕次郎さんの三回忌を偲んで建てられたことから「裕次郎灯台」とも呼ばれています。
名島にはかつて桟橋や渡し舟がありましたが、一般参拝向けの渡し舟はありません。
そのため境内には、名島の龍神宮を岸から拝む龍神宮遥拝所(ようはいじょ)が令和6年(2024年)に造営されました。
遥拝所では、2基の鳥居の奥に、海の中に立つ赤い鳥居や富士山を望めます。
この散策では岸からの眺めを楽しみ、鳥居へ近づこうとして海や足場の悪い場所へ入らないようにしましょう。
夕日の名所「森戸の夕照」は帰りの予定と合わせて楽しむ
森戸神社周辺の夕景は「森戸の夕照」と呼ばれ、「かながわの景勝50選」にも選ばれています。
晴れた日の夕暮れ時には、江の島や伊豆、箱根の山並み、富士山を包むように空が茜色に染まります。
夕方を目的に訪れるなら、日没の時刻と帰りのバスを先に確認し、足元が見えるうちに帰り道を把握しておくと落ち着いて過ごせます。
日の出・日の入りの時刻は、カレンダーなどで事前に調べておきましょう。
夕焼けの色づきは天候次第なので、日中の散策や参拝も組み合わせておきましょう。

森戸神社(森戸大明神)の参拝で知っておきたい歴史と作法
森戸神社は「森戸大明神」とも呼ばれ、葉山の総鎮守として信仰を集める神社です。
海の景色とともに、地域の人々が祈りを重ねてきた場所として境内を歩くと、訪問の印象が深まります。
源頼朝ゆかりの由緒と御神木「飛柏槇」に目を向ける
平治の乱に敗れて伊豆へ流された源頼朝は、三嶋明神(現在の静岡県・三嶋大社)を深く信仰し、源氏の再興を祈ったとされます。
治承4年(1180年)に挙兵して再起を果たした頼朝が、鎌倉に近いこの地に三嶋明神の分霊を迎えたと伝えられています。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には、歴代の将軍がこの地を訪れ、流鏑馬(やぶさめ)や笠懸(かさがけ)、相撲などを行ったことが記されています。
その後も北条氏や足利氏、三浦党から崇敬を受け、天正19年(1591年)には徳川家康から社領が寄進されました。
本殿は葉山町の重要文化財に指定され、海側へ枝を伸ばす御神木「飛柏槇(ひびゃくしん)」も境内の見どころです。
飛柏槇は、元暦元年(1184年)に頼朝が参拝した折に三嶋明神から種が飛来して芽吹いたと伝えられ、樹齢は約800年とされます。
海の上へ乗り出すような古木の姿は珍しく、葉山町の天然記念物に指定されているほか、「かながわの名木100選」にも選ばれています。
建物や木を眺める際は、柵や立入表示を守り、枝や幹に触れたり、根元へ踏み込んだりせずに観察しましょう。
森戸神社のご祭神とご利益、子宝石を授かる水天宮
森戸神社のご祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)の二柱です。
御神徳は開運厄除、安産、子授け、良縁、家内安全、商売繁昌、交通安全などとされています。
境内の水天宮は安産や子宝の信仰を集め、子授御守を受けた人は希望により子宝石を授かることができます。
子宝石は出産後に子どもの名前を記入し、お宮参りの際に境内の子宝石納所へ戻すよう案内されています。
このほか境内には、喉の守り神として信仰されるおせき稲荷社や、ペットの守護神とされる畜霊社などの社も並んでいます。
千貫松や石原裕次郎記念碑など境内の見どころ
神社裏手の磯辺の岩上には、見事な枝ぶりの「千貫松(せんがんまつ)」が立っています。
頼朝がこの松をほめた際、和田義盛が千貫の値打ちがあると答えたことが名前の由来と伝えられています。
裏手の海岸入口には、湘南で青春を過ごした俳優・石原裕次郎さんの記念碑があり、ブロンズ像と兄の石原慎太郎さん自筆の詩が刻まれています。
境内にはほかにも、猿田彦大神を祀る庚申塔(こうしんとう)や、頼朝が別邸を構えたと『吾妻鏡』に記される源頼朝公別墅(べっしょ)跡などが点在します。
手水とお参りは現地の案内を見ながら進める
手水舎は、参拝の前に手や口を清める場所です。
利用方法の掲示があればそれに従い、柄杓を使う場合は直接口をつけないようにします。
鳥居の前では軽く一礼し、参道では周囲の人の流れを見ながら静かに進みましょう。
作法に迷ったときは掲示や職員の案内を確認し、参拝する人の前を横切らず、自分の順番を待てば慌てずにお参りできます。
境内で見かける言葉を知っておくと、案内表示を読み取りやすくなります。
| 言葉 | 意味 | 訪問時の心がけ |
|---|---|---|
| 本殿 | 神様を祀る建物 | 立入表示を守る |
| 手水舎 | 手や口を清める場所 | 使い方の掲示を見る |
| 授与所 | お守りなどの窓口 | 受付の案内を確認 |
| 御神木 | 神聖な木 | 傷つけずに眺める |
森戸神社のお守りや御朱印は授与時間を事前に確認する
参拝できる時間と、授与所で対応してもらえる時間は分けて考えましょう。
参拝は24時間可能で、お札・お守り・おみくじの授与は毎日午前9時頃〜午後4時頃が目安です。
夕方に授与を希望する場合は、社務所(電話046-875-2681)へ対応時間を確認すると確実です。
お守りや御朱印を希望する場合は、森戸大明神の案内で受付や頒布内容を確認してから訪れると安心です。
御朱印は季節や行事に合わせた限定のものが頒布されることもあり、数量限定の場合は早めに終了することがあります。
授与品のネット通販は行っていないため、お守りなどは参拝の際に社頭で受けましょう。
夕景を主な目的にする日も、授与を希望するなら先に神社へ立ち寄る順番を検討しましょう。
例大祭(9月7日・8日)など森戸神社の主な年中行事
森戸神社で最も重要な祭りは、1180年の創建を記念して毎年9月8日に行われる例大祭で、前日の9月7日には宵宮祭が営まれます。
例大祭では、町内会などによる神輿の渡御が森戸海岸の砂浜で行われることがあります。
祭礼に伴い、ご祈願の受付や境内駐車場の利用が休止されることがあるため、この時期に訪れる場合は公共交通機関を利用しましょう。
このほか、2月3日には節分祭、6月30日には茅の輪(ちのわ)をくぐって半年間の罪や穢れを祓う夏越の大祓が行われます。
行事の日程や内容は年によって変わる場合があるため、訪問前に公式サイトの年中行事やお知らせを確認しましょう。

森戸神社と森戸海岸で写真を撮るときの注意
写真を撮る場所と目的によって、確認すべきことが変わります。
神社では参拝を優先し、海岸では安全な足場と周囲の人への配慮を大切にしましょう。
本殿内の撮影と商用撮影の規則を確認する
森戸大明神では、本殿内での写真・動画撮影を控えるよう案内しており、御神前での携帯電話による通話も控えるよう求めています。
また、商用撮影やドローン撮影には神社の許可が必要です。
画像販売サイトなどに載せるフリー素材目的の撮影や、コスプレなど奇抜な服装での撮影も禁止されています。
カメラマン同行の撮影には別の手続きや条件があるため、旅行中の撮影を依頼する場合は、予約前に神社へ確認してください。
業者やプロのカメラマンが境内で撮影する際は、祈祷受付で撮影規約の承諾書に記入し、神社から貸し出される腕章を着用する決まりです。
また、ご祈願を受けていないお宮参りや七五三などへのカメラマン同行撮影や、森戸神社で挙式していない人の婚礼の前撮り・ロケーションフォトは認められていません。
境内で記念写真を撮るときも、現地の掲示と職員の案内に従い、ほかの参拝者が写り込まない構図を選びましょう。
安全な場所から構図を変えてみる
海辺では被写体へ近づくことより、空と海をどのくらい画面に入れるかを考えると、無理なく構図を変えられます。
写真を確認しながら後ろへ下がると周囲が見えにくいため、先に立つ位置を決めてからカメラを構えましょう。
海岸での撮影は、残したい印象に合わせて次のように工夫できます。
| 残したい印象 | 構図の工夫 | 注意すること |
|---|---|---|
| 海の広がり | 空と海を広く入れる | 波打ち際へ寄りすぎない |
| 沖の鳥居 | 周囲の海と組み合わせる | 岸から眺める |
| 夕方の空の色 | 空の割合を変える | 暗くなる前に足元を確認 |

森戸海岸・森戸神社へのアクセスは逗子駅から京急バスで約15分
公共交通で訪れる場合は、JR逗子駅または京急逗子・葉山駅から、海岸回りの京急バスを利用できます。
JR逗子駅は東口3番、京急逗子・葉山駅は南口2番のバス乗り場から「逗12」葉山(一色)行き(海岸回り)に乗り、約15分の「森戸神社」で下車すると徒歩1分です。
タクシーを利用する場合は、どちらの駅からも約10分が目安です。
バスは目的に合わせて「森戸海岸」か「森戸神社」で下車する
海岸散策から始めるなら「森戸海岸」、参拝から始めるなら「森戸神社」を下車候補にすると、訪問の順番を考えやすくなります。
京急バスでは「逗12」のほか、葉山町福祉文化会館行きの「逗11」(海岸回り)も森戸海岸を経由します。
乗車前に、利用する便が目的の停留所を通るか、駅の案内表示や京急バスの経路検索で確認しましょう。
日本語の停留所名をスマートフォンに保存しておけば、車内表示と照らし合わせたり、運転士に目的地を伝えたりするときに役立ちます。
帰りのバス停と駅を先に決めておく
到着時に帰りの乗り場と行先を確認しておくと、散策後の移動がスムーズです。
列車への乗り継ぎがある日は、道路状況による遅れも考えて余裕を持たせましょう。
祭礼や花火大会などで交通規制が行われる日は、バスの運行経路が変わることもあるため、京急バスのお知らせも確認しておきましょう。
バス停へ向かう途中も、住宅の出入口をふさがず、狭い道では横に広がらないように歩いてください。
車で訪れる場合は境内駐車場の料金と夏の混雑に注意
車の場合は、横浜横須賀道路の逗子ICから逗葉新道を経由するルートがあります。
森戸神社の境内駐車場は普通車106台分で、タイムズが運営しています。
参拝者は30分まで、ご祈祷を受ける人や結婚式の参列者は2時間まで無料で、2時間までの無料サービスを利用する場合は社務所への申し出が必要です。
普通車の料金は、特定期間を除き、1月〜6月と9月〜12月が30分220円、7月〜8月が30分550円です。
夏季は駐車場が大変混雑するため道路での入場待ちを控え、公共交通機関の利用も検討しましょう。
森戸海岸の散策の服装と海水浴の準備
歩くための服装と海の状況を確かめておくと、参拝も砂浜の散策も楽しみやすくなります。
砂浜と境内を歩ける靴を選ぶ
街歩きと組み合わせるなら、歩きやすく、多少砂が付いても手入れしやすい靴が便利です。
風や日差しへの備えとして、脱ぎ着できる上着や帽子、飲み物を用意しましょう。
足元に不安がある場合は、砂浜や段差を無理に進まず、その場で歩ける範囲に散策を調整してください。
森戸神社には駐車場から本殿前まで続く車いす・ベビーカー用のスロープがあり、社務所にはトイレやおむつ替えシートも設けられています。
駐車場や屋外の通路は舗装されておらず、砂利や土の部分もあるため、車いすやベビーカーでは足元に注意しましょう。
森戸海水浴場はその年の開設期間を確かめる
夏に泳ぐ予定なら、葉山町や神奈川県の案内で海水浴場の開設期間、遊泳のルール、当日の状況を確認しましょう。
森戸海水浴場は、一色、長者ヶ崎・大浜の海水浴場とともに例年7月1日〜8月31日頃に開設されます。
海水浴場の開場時間中は、砂浜などで喫煙専用区域以外の喫煙が条例で禁止されています。
穏やかに見える海でも、風や波によって状況は変わるため、現地の表示と監視員の指示を優先してください。
海で事件・事故が起きたときは、海上保安庁の緊急通報番号「118」に連絡します。
子ども連れの場合は水辺で目を離さず、天候が悪化したら散策や遊泳を切り上げる判断も大切です。
葉山ではごみを持ち帰り、海辺の暮らしに配慮する
ごみは持ち帰り、住宅地では静かに過ごしましょう。
葉山町内の公共空間や海水浴場にはごみ箱が設置されていないため、出たごみは自宅や宿泊先まで持ち帰りましょう。
小さなごみ袋を持参し、飲食後の袋や容器を風で飛ばされないようにしましょう。
- 海の生き物や石を持ち帰らない
- 撮影のために車道へ出ない
- 海の利用者同士で場所を譲り合う
- 夜10時から翌朝6時までは花火を控える(近隣に不安を覚えさせる花火は神奈川県の条例で禁止)
まとめ|森戸海岸の景色と森戸神社の参拝を自分のペースで楽しむ
森戸海岸と森戸神社では、砂浜、赤いみそぎ橋、境内をつなぐ散策を楽しめます。
沖の名島に立つ赤い鳥居や「かながわの景勝50選」に選ばれた森戸の夕照、源頼朝ゆかりの御神木など、海と歴史の両方に触れられるのが魅力です。
お守りや御朱印を希望する場合は受付を先に確認し、夕景を見る日は帰りの交通まで決めておくと、現地でゆっくり過ごせます。
天候と足元に合わせて歩く範囲を選び、参拝者や地域の暮らしに配慮しながら、葉山の海辺を味わってください。









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