鳳来寺山は自然と信仰を歩いて感じるスポット
鳳来寺山(ほうらいじさん)は、愛知県新城市の奥三河エリアにそびえる標高695mの山岳信仰のスポットです。
山そのものが古くから信仰の対象とされ、山中の鳳来寺や鳳来山東照宮を訪ねながら、自然と歴史の両方に触れられます。
鳳来寺山は昭和6年(1931年)7月31日に国の名勝・天然記念物に指定され、約1,400万年前の火山活動で形成された岩肌や、温帯樹と暖帯樹が混じる豊かな植生が特徴とされています。
訪日旅行者にとっての魅力は、寺社だけを短時間で見るのではなく、参道を歩く体験そのものにあります。
森の音、石段の感触、山中の静けさを味わいながら、日本の山岳信仰に近づける場所です。

表参道の石段1425段で味わう奥三河の森
鳳来寺山を代表する歩き方が、表参道の石段を上るルートです。
麓から鳳来寺へ続く参道には1,425段の石段があります。
石段沿いには杉木立が続き、山に入るにつれて空気の印象も変わります。
街歩きとは違い、足元に集中しながら少しずつ高度を上げていくため、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
登り切るまでの所要時間は休憩を含めて片道およそ60〜90分が目安で、体力に不安がある場合は時間に余裕を持って計画しましょう。
途中で見たい傘杉と仁王門
参道の見どころのひとつが「傘杉(かさすぎ)」です。
傘杉は、樹齢800年、高さ60mにもなる杉として紹介されています。
また、参道の中ほどには朱色が印象的な仁王門もあります。
徳川三代将軍・家光によって慶安4年(1651年)に建立された仁王門は、国の重要文化財です。
門の前後では立ち止まって、彫刻や木組みをじっくり眺めてみるとよいでしょう。

鳳来寺と鳳来山東照宮をめぐる参拝の見どころ
石段を上った先にある鳳来寺は、鳳来寺山の信仰を知るうえで中心となる場所です。
鳳来寺は今から約1,300年前の大宝3年(703年)に利修(りしゅう)という仙人によって開山されたと伝えられています。
本尊は薬師如来で、古くから修験者の聖地、真言・天台密教の道場として栄えてきた歴史があります。
鳳来寺からさらに参道を進むと、杉木立の中に鳳来山東照宮へ向かう道が続いています。
鳳来山東照宮で見る重要文化財
鳳来山東照宮は、徳川家康公を御祭神とし、家光の命によって慶安4年(1651年)に創建された神社です。
本殿・拝殿・幣殿・中門・水屋・左右透塀の6棟が、昭和28年11月14日に国の重要文化財に指定されています。
日光東照宮、久能山東照宮と並んで「日本三東照宮」と称されることがあります。
境内では建物の彫刻や屋根の形、森の中に建つ社殿の雰囲気を落ち着いて見てみましょう。
写真を撮る場合も、参拝者の動線をふさがず、祈りの場であることを意識すると安心です。

季節ごとに変わる鳳来寺山の楽しみ方
鳳来寺山は、寺社参拝だけでなく、季節の自然も楽しめる場所です。
春から初夏にかけては新緑が深まり、夏は森の中を歩くと涼やかな空気を感じられます。
秋は山の色づきが印象的で、紅葉の名所としても知られています。
鳳来寺山パークウェイ駐車場の繁忙期に11月1日〜11月30日が含まれるため、この時期は紅葉観賞の目安になります。
また、鳳来寺山は愛知県の県鳥であるコノハズク(「声の仏法僧」とも呼ばれる)の生息地としても知られ、初夏には鳴き声が聞こえることもあります。
ただし、自然の見え方は天候や時期によって変わります。
花や紅葉を目的に訪れる場合は、出発前に自治体や観光協会の案内を確認しておくとよいでしょう。

訪日旅行者が知っておきたい歩き方とマナー
鳳来寺山は、観光地であると同時に、寺社と山の自然が重なる場所です。
にぎやかに過ごすよりも、周囲の参拝者や自然環境に配慮しながら歩くと、場所の魅力が伝わりやすくなります。
歩く前に意識したいこと
石段や山道では、足元が不安定に感じられる場所もあります。
歩き慣れたスニーカーや軽登山靴を選び、雨天後や落ち葉の多い季節は、急がずに進みましょう。
飲み物や軽食は事前に用意し、季節によっては防寒着や雨具も持参すると安心です。
寺社の境内では、大声での会話を控え、建物や文化財に触れないようにします。
立入禁止の表示や案内がある場合は、その場の指示に従ってください。
交通・駐車場情報は出発前に確認
鳳来寺山パークウェイ駐車場や公共交通でのアクセス案内が用意されています。
鳳来寺山パークウェイ駐車場は、普通車1日550円(繁忙期は1,100円)です。
営業時間は8:00〜18:00で、時間外は入出庫できません。
公共交通の場合、JR飯田線「本長篠駅」から豊鉄バス田口新城線「鳳来寺」バス停下車、またはSバス鳳来寺山もっくる新城線の利用を確認するとよいでしょう。
運行本数が限られるため、事前に時刻表を確認しましょう。
新東名高速「新城IC」からは車で約20分です。
道路の通行止めなどの案内が掲載されることがあります。
車で訪れる場合も、直前に公的情報を確認しておくと安心です。
まとめ|鳳来寺山を落ち着いて楽しむコツ
鳳来寺山は、1,425段の石段の参道、鳳来寺、鳳来山東照宮、奥三河の森を一度に体験できるスポットです。
ただ見るだけでなく、歩きながら少しずつ山の雰囲気に入っていくことが、この場所らしい楽しみ方です。
初めて訪れるなら、歩きやすい服装で、半日(およそ3〜4時間)程度の余裕を持って計画しましょう。
寺社では静かに参拝し、自然の中では足元と周囲に気を配ることで、鳳来寺山の歴史と景観をより深く味わえます。




